Web Magazine

【シンプルを極めるレシピ】伝統料理「柚庵焼き」とは? 
秋鮭でつくる簡単レシピをご紹介

こんにちは。料理家の松山たけしです。

今回は、これからの時期にとびきりおいしい
秋鮭を使ったレシピ。

秋鮭の柚庵(ゆうあん)焼きをご紹介します。

yuan_yaki_salmon_recipe (9).jpg

皆さまは、
「柚庵焼き」という料理をご存じでしょうか?

料亭や懐石料理のお店などで目にしますが、
名前は聞いたことがあっても、どんな料理なのか
詳しくはわからない方も多いのではないでしょうか。

それでは早速、
「柚庵焼きとは何か?」からご説明していきます。

柚庵焼きとは?

yuan_yaki_salmon_recipe (10).jpg

「柚庵焼き」とは、
醤油、酒、みりん、柑橘類を合わせた
タレ(漬け地)に食材を漬け込み、焼き上げたもの。

江戸時代の茶人「北村祐庵(きたむらゆうあん)」
によって考案されたと言われる伝統料理です。

柚庵焼き、祐庵焼き、幽庵焼き。
いろんな書き方がありますが、
読み方も調理法もすべて同じ。

僕は、「柚子などの柑橘類を使っているんだぞ」
ということをちゃんと伝えたいので、
「柚庵焼き」と書くことが多いです。

yuan_yaki_salmon_recipe (6).jpg

柚庵焼きの漬け地の割合は、基本的には「 1:1:1」。
醤油1、酒1、みりん1です。

割合で覚えておくと、レシピをいちいち見直したり、
分量を計算し直したりする必要がなくて楽ですね。

魚全般はもちろん、お肉でもおいしくできる柚庵焼き。
今回は、旬の「秋鮭」で作ってみます。

「秋鮭」と「サーモン」の違い

yuan_yaki_salmon_recipe (8).jpg

「鮭」というと、1年中スーパーに並んでいて、
いつでも食べられる魚というイメージですよね。

でも実は、国産の鮭を味わえる時期はほんのわずか。

初夏の時鮭(ときしらず)と、
秋の秋鮭(あきざけ)の2回だけ。
あとはほとんどが輸入品なんです。

秋鮭は、
脂が少なくてさっぱりとした味わいが特徴。

通年見かける脂がしっかりのった「サーモン」とは、
実はかなり食感が違います。

そのため、
塩焼きなど「いつもの感覚」で秋鮭を調理すると、
少しパサついたり、味気なく感じたりすることも。

そこで、柚庵焼きです。

秋鮭を漬け地に漬けてから焼くことで
水分や甘味が加わり、
淡白ながらもしっとりやわらかな食感に仕上がります。

漬け地の味の調整について

yuan_yaki_salmon_recipe (7).jpg

柚庵焼きのポイントは、漬け地のチューニング。

脂の少ない食材には、少し甘味を強める
保水率が上がり、よりしっとりと仕上がります。

ですので、今回は漬け地の割合を、
醤油1:酒1:みりん1.5 にして作ります。

レシピによってこの割合が少しずつ違うのは、
食材の特徴に合わせて調整しているからだと思います。

ですが、基本は 1:1:1。
これをベースに考えれば、迷わず理解できます。

yuan_yaki_salmon_recipe.jpg

また、以前ご紹介した
ブリの照り焼きサワラの粕漬け焼きと同じように、
漬ける前に軽く塩を振り、水気を拭いておきます。

このひと手間で魚の臭みが抜け、
味がすっきりと入っていくのです。

一緒に漬け込む柑橘は、この時期なら
「青柚子」や「すだち」、「かぼす」などがおすすめ。
なければ、「レモン」でもおいしくできます。

使う柑橘を変えると、
また違った表情が出るのも楽しいですね。

これは余談ですが...。

秋鮭は結構淡白で、
「脂の乗ったサーモンの方がおいしい!」と
思われる方もいらっしゃるかもしれません。

僕は、秋鮭は
「秋に出回る食材との相性がいい」
と思っています。

特に、新米との相性はバツグン。

ツヤツヤして甘味もあり、
それ自体がおいしい新米に対して、
こってり脂の乗ったサーモンは少しアンバランス。

一方、秋鮭のさっぱりとした味わいは、
新米のしっとりした甘味と合わさることで、
すごくちょうどいい調和を生むのです。

ということで、秋鮭の祐庵焼きと、炊き立ての新米。
ぜひこれらを合わせて、秋の味覚をお楽しみください。

レシピ(2人分)

yuan_yaki_salmon_recipe (3).jpg

  • 秋鮭の切り身 2切れ
  • 塩 少々
  • 醤油 30cc
  • 酒 30cc
  • みりん 45cc
  • 柚子の輪切り(すだち、かぼす、レモンでもOK) 2〜3枚

作り方

yuan_yaki_salmon_recipe (4).jpg

① 秋鮭に軽く塩を振り、
  10分ほど置いて水気を拭きます。

yuan_yaki_salmon_recipe (5).jpg

② 醤油・酒・みりん・柑橘を合わせた漬け地に、
  秋鮭を1~2時間ほど漬けておきます。

yuan_yaki_salmon_recipe (1).jpg

③ 魚焼きグリルで秋鮭を皮面から焼き、
  ひっくり返して少し焼きます。
  火の入れ過ぎには注意してください。

yuan_yaki_salmon_recipe (2).jpg

④ 器に盛りつけ、お好みで柚子皮を散らせば完成。

好きな野菜を一緒に焼いて添えると、
立派な秋の一皿になります。

ぜひご家庭でお試しください。

▼秋の味覚を楽しむ一皿。こちらのレシピもおすすめです。

みんなの保存数:1

ベッド・寝具特集

リビング家具特集

ダイニング特集

バイヤーがご案内する収納選び

照明特集

YouTube公式アカウント
センスのいらないインテリア
ナチュラルヴィンテージを知る
インテリアを学ぶ
インテリアを楽しむ
リセノのこと
特集
人気の連載

「食べるを楽しむ」の最新記事 4件

2025年10月28日(火)
食べるを楽しむ

【シンプルを極めるレシピ】コンフィとは? お家で作れる「砂肝のコンフィ」の作り方

砂肝が、驚きのホロホロ食感に。手軽さと満足度のコストパフォーマンスが高い、冬にぴったりの一品です。

松山たけし 1
2025年10月14日(火)
食べるを楽しむ

【シンプルを極めるレシピ】ほどよい甘さがクセになる。イチジクと山椒のフリット

イチジクは食事としてのポテンシャルがとても高いフルーツです。香りと彩りが豊かな秋のフリットをお楽しみください。

松山たけし 1
2025年9月16日(火)
食べるを楽しむ

【シンプルを極めるレシピ】伝統料理「柚庵焼き」とは? 秋鮭でつくる簡単レシピをご紹介

旬の秋鮭とさわやかな柑橘を使って、さっぱりおいしい「柚庵焼き」をつくります。

松山たけし 1
2025年9月30日(火)
食べるを楽しむ

【シンプルを極めるレシピ】牛すじと豆のシンプル煮込み

二度の下ごしらえで臭みなく、とろとろに。牛すじと豆の旨みが重なる、シンプルで奥深い煮込みレシピ。

松山たけし

「食べるを楽しむ」の人気記事 4件

2023年4月10日(月)
食べるを楽しむ

【シンプルを極めるレシピ】徹底的にチキンソテー

レシピの連載がスタート。第三回目は、「チキンソテー」です。

松山たけし 39
2023年3月03日(金)
食べるを楽しむ

【ほんとうの、美味しいって?】大根の味噌汁から考える。

レシピの新連載がスタート。第一回目は、「大根の味噌汁」です。

松山たけし 37
2024年9月03日(火)
食べるを楽しむ

【シンプルを極めるレシピ】せいろで作るしっとり蒸し鶏

下準備して、せいろで蒸すだけ。しっとりジューシーなメインディッシュです。

松山たけし 32
2023年6月21日(水)
食べるを楽しむ

【ほんとうの、美味しいって?】おもてなしの、ひと皿。海老のアヒージョ

友人や家族を自宅に招く際にぴったりな「ひと皿」レシピをご紹介します。

松山たけし 20

インテリアを学ぶ、楽しむ、好きになる。
『Re:CENO Mag』