
ブリの照り焼きのレベルを格段に上げる「3つの心得」とは?
https://www.receno.com/pen/eat/u68/2025-01-07.php公開日 2025年09月16日(火)
こんにちは。料理家の松山たけしです。
今回は、これからの時期にとびきりおいしい
秋鮭を使ったレシピ。
秋鮭の柚庵(ゆうあん)焼きをご紹介します。
皆さまは、
「柚庵焼き」という料理をご存じでしょうか?
料亭や懐石料理のお店などで目にしますが、
名前は聞いたことがあっても、どんな料理なのか
詳しくはわからない方も多いのではないでしょうか。
それでは早速、
「柚庵焼きとは何か?」からご説明していきます。
「柚庵焼き」とは、
醤油、酒、みりん、柑橘類を合わせた
タレ(漬け地)に食材を漬け込み、焼き上げたもの。
江戸時代の茶人「北村祐庵(きたむらゆうあん)」
によって考案されたと言われる伝統料理です。
柚庵焼き、祐庵焼き、幽庵焼き。
いろんな書き方がありますが、
読み方も調理法もすべて同じ。
僕は、「柚子などの柑橘類を使っているんだぞ」
ということをちゃんと伝えたいので、
「柚庵焼き」と書くことが多いです。
柚庵焼きの漬け地の割合は、基本的には「 1:1:1」。
醤油1、酒1、みりん1です。
割合で覚えておくと、レシピをいちいち見直したり、
分量を計算し直したりする必要がなくて楽ですね。
魚全般はもちろん、お肉でもおいしくできる柚庵焼き。
今回は、旬の「秋鮭」で作ってみます。
「鮭」というと、1年中スーパーに並んでいて、
いつでも食べられる魚というイメージですよね。
でも実は、国産の鮭を味わえる時期はほんのわずか。
初夏の時鮭(ときしらず)と、
秋の秋鮭(あきざけ)の2回だけ。
あとはほとんどが輸入品なんです。
秋鮭は、
脂が少なくてさっぱりとした味わいが特徴。
通年見かける脂がしっかりのった「サーモン」とは、
実はかなり食感が違います。
そのため、
塩焼きなど「いつもの感覚」で秋鮭を調理すると、
少しパサついたり、味気なく感じたりすることも。
そこで、柚庵焼きです。
秋鮭を漬け地に漬けてから焼くことで
水分や甘味が加わり、
淡白ながらもしっとりやわらかな食感に仕上がります。
柚庵焼きのポイントは、漬け地のチューニング。
脂の少ない食材には、少し甘味を強めると
保水率が上がり、よりしっとりと仕上がります。
ですので、今回は漬け地の割合を、
醤油1:酒1:みりん1.5 にして作ります。
レシピによってこの割合が少しずつ違うのは、
食材の特徴に合わせて調整しているからだと思います。
ですが、基本は 1:1:1。
これをベースに考えれば、迷わず理解できます。
また、以前ご紹介した
ブリの照り焼きやサワラの粕漬け焼きと同じように、
漬ける前に軽く塩を振り、水気を拭いておきます。
このひと手間で魚の臭みが抜け、
味がすっきりと入っていくのです。
一緒に漬け込む柑橘は、この時期なら
「青柚子」や「すだち」、「かぼす」などがおすすめ。
なければ、「レモン」でもおいしくできます。
使う柑橘を変えると、
また違った表情が出るのも楽しいですね。
ブリの照り焼きのレベルを格段に上げる「3つの心得」とは?
https://www.receno.com/pen/eat/u68/2025-01-07.phpお酒と食材のペアリングが楽しめる一体型の料理。それが「粕漬け焼き」です。
https://www.receno.com/pen/eat/u68/2024-10-29.phpこれは余談ですが...。
秋鮭は結構淡白で、
「脂の乗ったサーモンの方がおいしい!」と
思われる方もいらっしゃるかもしれません。
僕は、秋鮭は
「秋に出回る食材との相性がいい」
と思っています。
特に、新米との相性はバツグン。
ツヤツヤして甘味もあり、
それ自体がおいしい新米に対して、
こってり脂の乗ったサーモンは少しアンバランス。
一方、秋鮭のさっぱりとした味わいは、
新米のしっとりした甘味と合わさることで、
すごくちょうどいい調和を生むのです。
ということで、秋鮭の祐庵焼きと、炊き立ての新米。
ぜひこれらを合わせて、秋の味覚をお楽しみください。
① 秋鮭に軽く塩を振り、
10分ほど置いて水気を拭きます。
② 醤油・酒・みりん・柑橘を合わせた漬け地に、
秋鮭を1~2時間ほど漬けておきます。
③ 魚焼きグリルで秋鮭を皮面から焼き、
ひっくり返して少し焼きます。
火の入れ過ぎには注意してください。
④ 器に盛りつけ、お好みで柚子皮を散らせば完成。
好きな野菜を一緒に焼いて添えると、
立派な秋の一皿になります。
ぜひご家庭でお試しください。
下準備して、せいろで蒸すだけ。しっとりジューシーなメインディッシュです。
https://www.receno.com/pen/eat/u68/2024-09-03.php土鍋を使って、秋の味覚・さつまいもの炊き込みご飯を作りましょう。
https://www.receno.com/pen/eat/u68/2024-09-19.phpカリフラワーは、ローストすると化けます。パーティの一品としてもおすすめです。
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