
【シンプルを極めるレシピ】ブリの照り焼きの心得
こんにちは。料理家の松山たけしです。
ブリの照り焼きは、適当に作っても
それなりに美味しくできるものです。
一方で、火の入れ過ぎでパサパサになってしまったり、
タレの味だけが強くなりすぎてしまうことも...。
簡単な料理こそ、基本をきちんと押さえることで
味に違いが出ますし、他の料理にも応用が利きます。
そこで今回は、和食の基本を復習しつつ
ブリの照り焼きを作りましょう。
ブリの照り焼きの3つの心得
いつも同じようなことを書いているかもしれませんが
和食では「下処理」が特に重要。
西洋料理では、ハーブやスパイスで香りを加える
「香水」のような文化がありますが、
日本の料理の基本は
素材をきれいに整え、旨味を引き出すこと。
そのイメージを押さえると、
和食の良さがぐっと感じられます。
① 先に塩を振る
まずは、先に塩を振ること。
塩を振るのは、味付けではなく、
魚の余分な水分や臭みを取り除くためです。
ほんのり塩を振って15分ほど置くと
表面に水気が出てきます。
それを拭き取ることで、味のノリが良くなり、
仕上がりも格段に美味しくなります。
振りすぎると、しょっぱくなるので注意しましょう。
② 小麦粉をまぶす
2つ目は、小麦粉をまぶすことです。
そうすることで、タレに自然なとろみがつき、
タレが魚の表面にしっかり絡みます。
この状態にすることで、
魚の中にタレが染み込みすぎず、
素材の美味しさを感じられる仕上がりに。
魚の中まで濃いタレが染み込むのも悪くはないですが、
素材の良さが分かりにくくなる場合もあります。
③ 火を入れすぎない
最後は、火を入れすぎないこと。
タレを少し煮詰めてトロっとさせたい一方で、
煮詰まるまで待っていると
メインの食材に火が入りすぎることがよくあります。
特に4人前などまとめて作ると、
水分量が多く、煮詰まるのに時間がかかることも。
そこで、タレを加えたら一度ブリを取り出します。
そしてタレが煮詰まってきたら、
再びブリを戻して煮絡める。
こうすることで、しっとりとしているけど
タレがしっかり絡んだブリ照り焼きに仕上がります。
材料
- ブリ切り身 1枚
- 薄力粉 適量
▼合わせ調味料
- 濃口醤油 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 酒 大さじ1
- 砂糖 大さじ0.5
作り方
1. ブリに薄く塩を振り、
15分ほど置いてから水気をしっかり拭き取ります。
2. ①に薄力粉をまぶし、余分な粉は軽くはたきます。
3. フライパンに油を引き、
強火でブリに焼き目をつけます。
4. 裏返したら、合わせ調味料を加え、
一度ブリを取り出します。
5. とろっと煮詰まってきたら、
ブリを戻し、タレと絡めて、完成です!
お好みで、野菜を付け合わせましょう。
僕のおすすめは、鬼おろしにした大根に
柚子を合わせたもの。
さっぱりとしたブリ大根として楽しめます。
粉山椒を振るのもいいですよ。
今回ご紹介した3つの基本を押さえれば、
照り焼きのレベルが何段階か上がるはずです。
ぜひ覚えておいてください。