
瀬戸市の歴史ある窯元・かしわ窯が手がける「Kamagaki (カマガキ)」シリーズのプレート。作家もののような味わい深い佇まいと、瀬戸焼の温かみが魅力です。
https://www.receno.com/plate2/kashiwa-pl.php公開日 2025年12月09日(火)
こんにちは。料理家の松山たけしです。
僕は「冬はかき揚げの季節」だと思います。
それは、冬野菜がかき揚げに向いているから。
冬野菜は、気温が下がると余分な水分が抜けて、
味が濃くなります。
この「水分が少なくて味が濃い」という条件は、
かき揚げととても相性がいいんです。
ということで今回は、
冬野菜の蓮根・春菊を使った
おいしいかき揚げのレシピをご紹介します。

瀬戸市の歴史ある窯元・かしわ窯が手がける「Kamagaki (カマガキ)」シリーズのプレート。作家もののような味わい深い佇まいと、瀬戸焼の温かみが魅力です。
https://www.receno.com/plate2/kashiwa-pl.phpかき揚げは、作ること自体は難しくないんですが、
いくつか押さえておきたいポイントがあります。
1つ目は、素材選び。
水分が少なく甘味や旨みが濃い野菜は扱いやすいです。
たとえば、甘味の強い「玉ねぎ」のかき揚げは
確かにおいしいですが、水分が多いので、
揚げ方を少し間違えるとふにゃっとした仕上がりに...。
夏野菜は水分がたっぷりで、旨みも少ない。
そう考えると、冬野菜はこの条件にぴったりなんです。
(ただ「とうもろこしのかき揚げ」は、
夏野菜だけど別格においしいです...!)
2つ目は、切り方。これもとても大事です。
大きすぎると中心に蒸気がこもり、
後から水がにじみ出てふにゃっとしてしまいます。
反対に細く薄く切ればカリッとはしますが、
水分が抜けすぎて素材の味を感じられなくなります。
かき揚げは、
「サクッ」と「しっとり」の中間をつくる料理。
このバランスをどこに置くかで仕上がりが変わります。
3つ目は、揚げる前の「下粉」。
具材に薄力粉を軽くまぶします。
この下準備をするだけで、
かき揚げは見違えるほどおいしくなります。
薄力粉は余分な水分を吸い、
具材同士を自然につないでくれます。
衣を厚くせずともひとまとまりになり、
軽く揚がるのが特徴です。
かき揚げの失敗の多くは、
この「下粉」がないことで起きています。
以上の3つのポイントを押さえておけば、
いろんな素材を組み合わせて、
安定したおいしさのかき揚げをつくれます。
そんな中で、僕がおすすめしたいのが
蓮根とエビと春菊のかき揚げです。
蓮根は、「シャキッ、ホクッ」とした食感がよく、
ほのかな甘味を楽しめる冬野菜。
そこにエビを加えることで、
旨みや食べ応えが増して贅沢に感じられます。
さらに春菊の冬ならではの香りが、
味をきれいに引き締めてくれるのです。
3つとも水分が少なめで比重も近く、
本当に素晴らしい組み合わせ。大好きです。
最後にかき揚げの「衣」について。
レシピサイトなどで調べてみると、
いろんなパターンの衣が出てくると思います。
薄力粉と水だけで作るものもありますが、
僕は卵を入れる衣がいちばん好きです。
薄力粉だけの衣は軽いけれど、まとまりが弱い。
卵が入ると、たんぱく質が熱で固まり、
具材同士をそっとまとめてくれるんです。
コクも自然に生まれるので、
ぜひ卵を入れてつくってみて欲しいです。
冬の野菜でつくるかき揚げ。
他にもいろんな組み合わせができますので、
自分の好きな組み合わせでお楽しみください。
① 蓮根は3mm幅くらいの半月切りに。
春菊は3cm幅。エビは一口大に切ります。
② ボウルに①を入れ、薄力粉(大さじ2)を
薄く全体にまとわせます。
③ 卵黄と冷水、塩を合わせ、薄力粉を加えて
ざっくりと混ぜ、衣をつくります。
④ ②に③を加え、具材に衣をまとわせます。
⑤ 形をまとめたら、約180℃の油で揚げます。
最初は触らず、固まってきたら返します。
3分ほど揚げ、全体が色づいてきたらOKです。
⑥ 油をよく切り、器に盛り付けて完成です。
余計な水分がなく、甘み・旨みが凝縮された
冬野菜のかき揚げ。
この時期にしか味わえないおいしさを、
ぜひ一度お試しください!
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