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ビューロー「lefti」の企画経緯と
コンセプト設計についてお話します。

こんにちは。プロダクトデザイナーの加納です。

今回は、オリジナル家具「Re:CENO product」から
新しく登場するビューロー「lefti(レフティ)」を
ご紹介します。

★12-2_ヴィンテージレッドカラー_ビューロー-Lefti_1T9A4092.jpg

ビューローと聞いてもご存知がない方が
いらっしゃるかもしれません。

英語で「Bureau」と表記しまして、
書斎机付きの引き出し収納家具という意味です。

★8-3_碇邸_ビューロー-Lefti_1T9A4239.jpg

つまりはデスクとしても収納家具
しても使える利便性の高い家具になります。

今回は、この新作の収納家具について、企画経緯と
コンセプト設計を紐解いていこうと思います。

収納とデスク、飾り棚の1台3役。
散らかってても扉を閉めればスッキリ整います。

★8-2_江本邸_ビューロー-Lefti_1T9A4290.jpg

現代の住宅は都市部に近づくに連れ、
お部屋の広さが限られてきます。

  • デスクは欲しいけど置くスペースがない。
  • 収納とデスクの両方はスペースが限られているので、両方置けない。

そういったお声をよく耳にします。
その不の解消として思い立ったのが
ビューローでした。

作業のときには、デスクとして使いながら、
使い終えたら、そのままパタンと扉をしめて収納棚に。

デスクと収納の両方を兼ね備えたビューローは、
現代の住宅事情において、ピッタリな家具であると
考えました。

★1-3_1台3役を担う家具(収納)※ビューロー-Lefti_1T9A4028.jpg

このように、「仕事モード」と「生活モード」の
切り替えを、扉の開け閉めのみで行えるのが、
ビューローのメリットです。

さらにビューローの役割は、それだけではありません。
それは、飾り棚としての役割。

★1-4_飾り棚として_ビューロー-Lefti_IMG_14826.jpg

リビングシーンにて「フォーカルポイント」が作れる
飾り棚として活躍します。

「フォーカルポイント」とは、お部屋でよく目に入る場所のこと。この場所が美しく仕上がっていることで、お部屋を全体の見心地を高めてくれます。

オープンシェルフであれば、飾る難しさを感じますが、
ビューローの上を飾るだけなので、
フォーカルポイントを作るのに慣れていない初心者の
方に向いている家具です。

つまりは、

  • デスク
  • 収納
  • 飾り棚

という3役を担うアイテムということです。

ビューローとは?

★2-2_見心地と使い心地を両立_ビューロー-Lefti_1T9A4292.jpg

そもそもビューローとは何か?
そこからお話していきましょう。

16〜17世紀ヨーロッパの貴族や上流階級の間で、
書き物や手紙を整理するために、収納棚と書き物机が
一体化した家具が普及したそうです。

それが「ビューロー」の始まりと言われています。

★2-1_ビューローの歴史_ビューロー-Lefti_IMG_15446.jpg

産業革命期になると、一般家庭でも普及され始め、
よりコンパクトで実用的なビューローが作られ
始めました。

★1_ビューロー2025_05_22_9999_14.jpg

20世紀の北欧は、日本の住宅事情と同じように
狭小なお部屋が多く、その中でいかに心地よく
過ごすかということが課題となっていました。

だからこそ、小ぶりでコンパクトな家具が多く普及し、
ビューローはその中でも収納+机を兼ねる家具
として注目されました。

★予備_2025_10_24_7273.jpg

ここに、北欧デザイナーの「機能+美しさ」を
追求した思想が結びつき、実用的でインテリア性の
高い家具として広がっていきました。

リセノプロダクトも「見心地」と「使心地」を両立して
いる家具を作り続けているので、まさに親和性の高い
アイテムと言えます。

狭いリビングや個室での「ワークスペース確保」

★3-1_デスクとして使用できる_ビューロー-Lefti_1T9A4220.jpg

デスク収納の機能を兼ね備えた
ビューロー。扉を開くだけで作業スペースが
確保できます。

★7-3_デスク広さ比較(Lefti)※2分割_ビューロー-Lefti_IMG_14813.jpg

扉を開くと背板から「55cm」ほどのスペース。
ノートパソコンを置いても余裕のある
奥行きです。

★3-3_コンセント付き_ビューロー-Lefti_1T9A4020.jpg

また、より快適にお使いいただけるように、
こちらにはコンセントを付けました。

スマホを充電しながら、パソコンで作業をしたり、
便利さを感じて頂けるのではと思います。

★3-4-※静止画_ドレッサーとして_ビューロー-Lefti_1T9A4012.jpg

さらにワークスペースだけでなく、
鏡を置けば、ドレッサーとしても活躍します。

お部屋が整う「隠せるメリット」

★4-1_収納棚として使用できる_ビューロー-Lefti_1T9A4105.jpg

パソコンやノートなどを置きっぱなしにすると
生活感が出てしまい、散らかった印象になります。

扉を閉めるだけでパソコンやノートを
隠せるのはビューローのメリット。

作業中に突然の来客などあった際には、閉めるだけで
スッキリと整った状態を保つことができます。

★4-2_机の上に物が散乱(Before)_ビューロー-Lefti_1T9A4116.jpg

たとえば画像のように、パソコンを開いて作業したり、
ノートにメモをしていたり。
作業をしていると、机の上には、モノが散らかって
しまいますよね。

★4-3_扉を閉めて綺麗な状態(After)_ビューロー-Lefti_1T9A4117.jpg

ですが、扉を閉めてしまえば、とても綺麗な状態に。
暮らしの中では散らかった様子は一切見えず、
お部屋は美しく整って見せることができます。

小物や書類の散らかりを隠せる「収納の幅の広さ」

★12-4_ブラウンカラー_ビューロー-Lefti_1T9A4068.jpg

日本の住宅は、収納スペースが限られているので、
郵便物や文具がテーブルや棚に溢れがちになります。

★5-2_細かいものは上の引き出しに_ビューロー-Lefti_IMG_14846.jpg

そこで背の高い書類などは扉に閉まって、
文具などの細かいものは、引き出しにしまえるように
引き出しの両方をつけました。

★5-4-※静止画_扉収納_ビューロー-Lefti_1T9A4062.jpg

整理整頓のストレスを軽減できるのも
嬉しいポイントです。

日本の住宅にフィットする。
圧迫感を軽減したサイズ

★7-2_奥行き35cm_ビューロー-Lefti_1T9A4283.jpg

北欧ヴィンテージのビューローは、少し大きめな
作りになっており、奥行きが「40cm〜55cm」のもの
が多くあります。

それに対して、このビューローは、
奥行き「35cm」と、
多くのビューローよりも狭い設計にしています。

★7-1_奥行き比較(江本邸ビューロー)※_ビューロー-Lefti_1T9A4276.jpg 画像上:一般的なビューロー(55cm)/画像下:lefti(高さ35cm)

この奥行きは、デスクとしても使える
ちょうど良いサイズ感。

あまり奥行きを狭くしてしまうと、
デスクとして使いにくくなってしまいます。
そのため、コンパクトさとデスクとしての使い心地の
両立を考えた奥行き設計にしました。

★7-4_高さを抑えた設計_ビューロー-Lefti_1T9A4083.jpg

また、それだけではなく、
高さも圧迫感を抑えた設計にしました。

北欧ヴィンテージのビューローは「1m越え」のサイズ
が多いので、圧迫感がどうしても出てしまいます。

そこで、1mは超えないように、ただデスクとしての
奥行きをしっかり確保できるように「99cm」
にして、少しでも圧迫感を軽減する設計をしています。

お子様の勉強机としての汎用性

★8-1_中原邸_ビューロー-Lefti_2025_10_24_7270.jpg

子供の学習机を置けるほどのスペースの余裕がないと
いう方に、ビューローを学習机として使用して
頂くのもおすすめです。

リセノのスタッフも、ヴィンテージのビューローを
お子様の学習机として使用しています。

リビングに置いて「親の目の届く学習机」としても
使えますし、お子様が巣立った後は、収納として
使うことができます。

ビューローは一台で何役も担えるところが汎用性の
高い家具ですし、無駄にならない投資とも言えます。

美しい佇まいを完成させる「4つのデザイン」

ここまでは機能的な面をお話させて頂きましたが、
ここからは、細かな意匠のこだわりをご説明して
いきます。

北欧ヴィンテージを彷彿させる繊細な取手

★10-4_取手のあしらい※詳細共通_ビューロー-Lefti_1T9A4002.jpg

取手の部分は北欧ヴィンテージの黄金期を
彷彿させるように繊細な技術の詰まった取手を
あしらっています。

こちらの取手をあしらうことで、美しい顔と上質さを
プラスしています。

側面の大きな柔らかい曲線

★10-1_側面の曲線_ビューロー-Lefti_1T9A4006.jpg

側面には、大きな柔らかい曲線が施されています。

こちらは、上にいくにつれて窄まっている形状に
なっています。Aラインという下が広がるような
設計です。

その効果でより圧迫感を軽減させているのも魅力です。

斜めの引き出しの陰影

★10-3_引き出しの斜め形状_ビューロー-Lefti_1T9A3992.jpg

引き出しは、斜めの形状を採用しました。

この形状は、1960年代の北欧ヴィンテージ家具にも
見られるもので、単調な箱物にリズムをつけるという
意味でこのような意匠にしているそうです。

斜めの角度によって、影が落ち、陰影も楽しめる
ようになっています。

美しいオーク材の木目が、お部屋を美しく彩ります。

★9-1_オーク材を使用※詳細共通_ビューロー-Lefti_.jpg

leftiに使用しているのは、オーク材

古くから家具材として親しまれてきたこの木は、
経年によって少しずつ飴色へと深まっていく
美しい変化が魅力です。

ヴィンテージ家具にもよく使われており、
「育てるように楽しめる木材」として
長く愛されています。

使い続けるほどに、
より美しい風合いへと変わっていく。
そんな経年変化を楽しめる素材として、
このオークを選びました。

飴色に育てていくのも楽しみの一つです。

Re:CENO productで定番の
「3カラー」をご用意しました。

lefticd-blog22.jpg

カラーは、リセノで定番の「3色」をご用意しました。

  • 北欧家具をイメージした「ヴィンテージレッド」
  • お部屋馴染みの良い爽やかな「ナチュラル」
  • 深みがあり、こっくりと趣深い「ブラウン」

お部屋のイメージに合わせて、
お選びいただけたらと思います。

ヴィンテージレッド

★9-2_育てるように楽しめる木材_ビューロー-Lefti_1T9A4101.jpg

「ヴィンテージレッド」は、
1950年代頃の北欧ヴィンテージ家具をイメージした、
「lefti」で一番おすすめのカラーです。

赤味のあるブラウンカラーが、
お部屋に落ち着きを感じさせてくれます。

ダイニングチェアの「folk」シリーズでも
同じヴィンテージレッドカラーを展開していますので、
統一感のあるスタイリングを楽しんでいただけます。

ナチュラルカラー

★1-2_コンパクトなお部屋にぴったり_ビューロー-Lefti_1T9A4215.jpg

こちらは、明るくさわやかな表情の「ナチュラル」。

北欧らしいさわやかなお部屋作りを目指す方には、
ぜひとも選んでいただきたいカラーです。

家具の色味は、
明るいほどお部屋を広く見せてくれます。

ひとり暮らしのワンルームや寝室を、
できるだけすっきり軽やかに見せたいという方にも
ぴったりの色味です。



ブラウンカラー

★正方形_T画像(ブラウン)_ビューロー-Lefti_1T9A4049.jpg

こちらは、渋めの表情が美しい「ブラウン」。

ナチュラルよりも一段深みがある色味で、
木の質感やヴィンテージライクな雰囲気を楽しめます。

男性っぽい印象を受けるブラウンカラーですが、
リセノスタッフの中では
意外にも女性人気の高いブラウン。

深みを感じる独自の色合いで、
美しいスタイリングに仕上がります。

こだわりを詰め込んだ「ビューロー lefti」。
2025年11月12日(水)より発売します。

★12-3_ナチュラルカラー_ビューロー-Lefti_IMG_14833.jpg

というわけで、新作のビューローについて、企画経緯
とコンセプト設計を書いてきました。

北欧ヴィンテージ家具のように長く使って頂いて、
色の経年変化や愛着を持って頂ければ幸いです。

使い心地、見心地を両立した製品ですので、ぜひとも
収納選びに加えていただければ嬉しく思います。

Styling Furniture

ビューロー lefti

¥ 99,800




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