ステンレス脚の新作チェアについて、企画経緯とコンセプト設計を紐解いてきます
https://www.receno.com/pen/receno-product/u89/2025-06-20.php公開日 2025年12月24日(水)
ウッドフレームチェア「Pair」の企画経緯と
コンセプト設計についてお話しします。
こんにちは。
プロダクトデザイナーの加納です。
木フレームのダイニングチェア「Pair(ペア)」
をリリースします。
こちらは、ステンレスダイニングチェア「Pair」
のシリーズアイテム。
シリーズの大きなテーマは、
あと少し、理想に近づかない...
を解消することです。
たとえば...
- 明るい雰囲気にしたいけど、木だけだと重たく見える
- すっきりとした脚が好きだけど、木の温かみのある雰囲気は残したい
そんなお悩みを解消したいという思いから
企画をスタートしました。
さらに幅広いお悩みに応えられるシリーズとして
広げていきたいという思いがあり、今回
ウッドフレームチェアを新たに追加します。
今回は、この新作チェアについて、
企画経緯とコンセプト設計を紐解いてきます。

お部屋を広く、美しく見せるダイニングチェア「Pair(ペア)」。線が細くすっきりとしたフォルムが、圧迫感を軽減してくれます。
https://www.receno.com/diningchair2/pairdc-sv.php心地よさはそのままに、
素材のぬくもりを感じるデザインへ。
ダイニングテーブルを決めたら、次に
「合わせるチェアをどうするか?」
を考える必要があります。
たとえば、約6畳のダイニングに、
チェアを4脚並べたとしましょう。
上の画像は、
ステンレス脚の「Pair」を4脚並べた様子。
脚の細いラインが空間に抜け感をつくり、
ダイニング全体が軽やかに見えます。
一方で、もう少しあたたかみのある雰囲気にしたい
という方もいらっしゃいます。
こちらは、ウッドフレームの「Pair」を4脚並べたもの。
木の質感が光をやわらかく受けとめ、
空間にやさしい陰影と落ち着きをもたらします。
構造や座り心地といった機能面はそのままに、
素材が変わることで、空間に与える印象も変化します。
無機質な印象から、有機的でやさしい空気感へ。
素材がもたらす「心地よさの違い」を、
感じていただける仕上がりです。
このように、今回のウッドフレームモデルは、
ステンレスの凛とした印象を受け継ぎながらも、
より温かく、やわらかな雰囲気へと進化しました。
- すっきりした見た目で、お部屋を広く見せたい
- 同時に「ぬくもり」も感じたい
という方に、ぜひ取り入れてほしい一脚です。
「ナチュラルインテリア」なお部屋づくりに
ぴったりのチェアです。
ステンレスフレームは「ナチュラルモダン」に
よく合いますが、ウッドフレームの「Pair」は
「ナチュラルインテリア」と好相性。
こちらのインテリアテイストマップを使って、
分かりやすくお話をさせて頂くと
ステンレスとウッドフレームはこのように位置します。

ここでは、今回のウッドフレームチェアにぴったりの
「ナチュラルインテリア」テイストを
詳しくご説明していきます。
「ナチュラルインテリア」とは
「あたたかい・リラックス・ナチュラル」と
「明るい、さわやか、シンプル」を
掛け合わせたテイストのことを指します。
さわやかさを持ちながら、あたたかみ・リラックス
を感じさせるスタイリングが特徴です。
ウッドフレームは、さわやかな印象であり、
木のぬくもりを感じられる雰囲気も好き
という方におすすめしたいチェアです。
なお、好みのインテリアテイストの
見つけ方については、ぜひ以下のマガジンも
参考にしていただければと思います。
「好みのインテリアスタイルの見つけ方」として、インテリアの様々なスタイルと特徴をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/beforestyling/u4/2025-04-04.php心地よさを感じるハーフアームチェア。
窮屈さを感じず、ふっと立ち上がれる安心感
美しいお部屋には、
良い顔をしたチェアが必ずあります。
だからこそ、チェアを選ぶ際には
見心地がとても大事な要素です。
ただ、見心地だけでは、いいチェアとは言えません。
こちらのチェアは、見心地と同じくらい
使い心地にもこだわっています。
どういう基準で、家具を選ぶと良いのかの思考法について解説します。
https://www.receno.com/pen/beforestyling/u7/2023-05-15.php
アーム部分には、ハーフアームを採用し
自然と肘がかけられるように設計しました。
肘のあるチェアは長く座っていても
体勢を崩せるところがいいポイントです。
立ち上がる際にも、肘の部分を支点にして
立ち上がることが可能なので、
足腰の弱い方でも立ち上がりやすい仕様です。
また、ハーフアームにしたことで
テーブルからの出入りもしやすく、
圧迫感が出ないようなサイズ設計になっています。
からだに自然と馴染む。
コンパクトで心地よいサイズ設計
発売当初から体にフィットすると好評のPair。
ウッドフレームも、ステンレスと同じ設計にしました。
一般的に、アームチェアは「幅55cm前後」のものが
多く、アームがないチェアと比べて幅の広い設計に
なっています。
それは、人の体がおさまるように肘掛けを
外側に出しているからです。
ただこの場合、幅が広いので、2 脚並べた際には
テーブルにおさまりきらないこともあります。
Pairは、座り心地の良さと、コンパクトなサイズ感、
その両方を叶えるために「幅50cm以下」に設計。
肘は置けるけど、
体がすっぽりとおさまるサイズ感です。
チェアは、人間工学的に
適した角度が設定しました。
ダイニングチェアの場合、90〜110度くらいです。
ただ実際は、90度というのは直角なので、
座り心地が良いとは到底いえません。
となると、一般的には90〜110度が
推奨されているものの
「実際には、どのくらいの角度が適しているのか?」
という疑問が浮かびます。
それは「多くの椅子に座る」、「作って試してみる」
という経験を通してこそ測れる数値です。
チェアを数多く設計してきた私は
理想的な角度に辿り着きました。
それが103度前後です。
このくらいの角度が、自然と背もたれにもたれたとき
最もちょうどいいんです。
是非、店頭で座り心地を
試してみていただければと思います。

「ふつうのお家を、美しく」というテーマのもと、お部屋を美しくスタイリングするためのセオリーを提唱し、オリジナルの家具や雑貨を展開するインテリアブランドです。
https://www.receno.com/shop/毎日の掃除が楽になるように。
テーブルに掛けられる仕様です。
Re:CENO productのハーフアームチェア
「folk round arm」も同様ですが、今回のチェアも
テーブルに引っ掛けられる仕様です。
今の時代、共働きのご家庭は非常に多く、
毎日掃除の時間を取れない...ということも
あるかと思います。
こちらのチェアは、テーブルに引っ掛けると
床から「10cm」空くので、
ロボット掃除機も通ることができます。
ですので、朝の忙しい時間にチェアを
テーブルに引っ掛けておいて、
ルンバをセットしてお仕事に出かけすれば
帰ってくる頃には綺麗になっています。
今の時代、時短は非常に嬉しいポイントだと思います。
「エンタシス」と呼ばれる意匠。
こだわりの丸みが生みだす柔らかな印象
脚部には、北欧の名作チェアにも用いられてきた
「エンタシス」の意匠を取り入れました。
一本の木を削り出し、両端を細く、中央に向かって
わずかに丸みを帯びさせる技法です。
ほんの少しのカーブが、無機質な印象をやわらげ、
木の生命感を感じさせる美しいラインを描きます。
直線ではなく「わずかなふくらみ」を残すことで、
手仕事の温かみを宿した佇まいに仕上げました。
ペットと安心して暮らせる
「オリジナル生地」を使用しています。
犬や猫と暮らすお客様から、
「ペット対応の生地が欲しい」
とのお声をよくいただきます。
今回、そのご要望に応えた生地を
オリジナルで開発しました。
実は、「ペット対応生地」という言葉に、
明確な定義はありません。
一般的には、専門機関による「スナッグ試験」に
合格したものが、そう呼ばれています。
スナッグ試験では、「メース」と呼ばれる
トゲのついたボールで生地を100回こすり、
- 糸がどれくらい飛び出しやすいか
- ひきつれが起こりやすいか
といった基準で評価されます。
その結果、一定の基準をクリアしたものだけが
「ペット対応」として認められているのです。
ただ、私たちリセノでは、お客様に
より安心してお使いいただけるよう、
一般的な「100回」の試験基準を大きく上回る
「2000回」の試験を実施しました。
その結果、5段階中「4.5」という
高い評価を獲得しています。
この生地は、試作を何度も繰り返しながら
調整を重ねて、ようやく完成した
「リセノのペット対応生地」です。
カラーは、やさしい印象のベージュと、
さりげない柄のストライプの2色。
どちらの生地も、リセノが完全オリジナルで
開発したものです。
とくにストライプの生地は、パターンのデザインから
スタートし、糸の組織まで細かく指定して、
特別に織り上げていただきました。
市販の生地ではなく、リセノだけの特注品です。
だからこそ、生地そのものも
自信を持っておすすめできます。
ストライプ生地は、凹凸をつけることで、
立体感のある表情に仕上がるよう、
特別に織っていただいています。
単なる平坦なストライプではなく、
生地自体の奥行きや表情を感じられる一枚です。
ぜひ、店頭でも質感をご覧いただきたいと思います。
機能面では、犬や猫の爪が引っかかりにくく、
織り糸がほつれにくい構造になっています。
生地は糸をしっかりと織り上げて布にしているため、
引っかきや摩擦にも強く、優れた耐久性があります。
そのため、小さなお子様が
うっかりひっかいてしまっても安心。
ペットと暮らす方にも、お子様がいるご家庭にも、
長く快適にお使いいただける生地です。
美しい木目で、徐々に味わいが増す。
「オーク無垢材」で長く愛用いただけます。
古くから家具用の素材として
親しまれてきた「オーク材」。
経年変化で飴色に変わった風合いを、
ヴィンテージショップなどで
ご覧になったことがある方も多いかと思います。
オーク材の魅力は、なんといってもその美しい木目と、
ぬくもりのある手触り。
使い込むほどに味わいが深まり、
年月とともに表情が豊かになっていきます。
やがて、ヴィンテージショップに並ぶような
飴色の家具へと育てていく...。
そんな経年変化を楽しめるのも、
オーク材ならではの魅力です。
ご家庭でお洗濯できる「カバーリング仕様」。
清潔な状態を保ち、長くお使いいただけます。
長く清潔に使い続けていただけるように、
座面カバーは取り外して洗うことができます。
こちらのチェアは、座面をボルトで外して頂いて、
カバーを外せるように設計しています。
この仕様は、リセノならではの
こだわりのポイントです。
さらに、カバーはお家で洗えるので、
汚れたらゴシゴシ拭かず、ササッと洗濯機へ。
その際、洗濯ネットに入れていただければと思います。
BOKEN での耐久試験も
クリアしています。
専門機関による強度試験も実施しました。
この試験では、
「体重約95kgの人が、5万回ほど座る」ことを想定し、
強度に問題がないかどうかを評価します。
1日あたり20回座ると仮定すると、
およそ7年分に相当する使用頻度です。
その試験の結果、背もたれ・ひじ部・座面の
すべてにおいて、基準をしっかりとクリアしています。
ただし、実際のご使用環境や条件によって
耐久性は変わるため、この試験結果が必ずしも
7年間の使用を保証するものではありません。
こだわりを詰め込んだウッドフレームチェア「Pair」。
12月24日(水)に発売します。
新たに加わるウッドフレームチェア「Pair」は、
日本の住まいにフィットするサイズ感と
長く快適に使い続けられる設計。
使うほどに愛着が深まるダイニングチェアです。

お部屋を広く、美しく見せるダイニングチェア「Pair(ペア)」。線が細くすっきりとしたフォルムが、圧迫感を軽減してくれます。
https://www.receno.com/diningchair2/pairdc-sv.phpぜひ、お近くの店舗で実物をご覧いただき、
その軽やかさや座り心地を体感してみてください。

「ふつうのお家を、美しく」というテーマのもと、お部屋を美しくスタイリングするためのセオリーを提唱し、オリジナルの家具や雑貨を展開するインテリアブランドです。
https://www.receno.com/shop/




















BM 山本
製品企画 中原
バイヤー 大場
店舗MG 岩田