知ると家具選びが楽しくなる! 木材の種類と特徴を解説します。
https://www.receno.com/pen/maintenance/u79/2024-04-19.php公開日 2025年06月24日(火)
更新日 2025年08月19日(火)
【動画解説つき】テーブルにヒビや割れが起きても大丈夫!
補修方法や予防対策をご紹介します。
こんにちは。
商品部の関です。
今回は、天然素材の代表格、
天然木にまつわるお話です。
タイトルの通りですが、
天然木を使用した家具やアイテムをお使いの方で、
「いつの間にか、ヒビや割れができている!」
と、驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そのような天然木の事象について、
なぜ起きるのか、また、予防はできるのか。
また、起きてしまった際、
どうすれば良いのかについてご紹介いたします。
天然木、特に無垢材を使った家具においては、ある種、
避けては通れない事象ですので、
ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
【動画解説】テーブルのヒビ割れの補修方法
こちらの動画でも、木製テーブルのヒビ割れの
補修方法について解説しております。
ぜひ合わせてご覧いただけますと幸いです。
木材にヒビや割れが入る原因とは?
そもそも木材には、なぜヒビや割れが
起きてしまうのでしょうか。
まず、木材の中でも、どういったものに
こういった事象が起きやすいかと言うと、
無垢材に発生します。
無垢材とは?
天然の木を、丸太から切り出したまま、
または加工して一枚の板にしたもの。
無垢材は素材そのままを活かした材ですので、
頑丈で、長く使えるという部分がメリットです。
天然木を使用した素材では、その他にも、
- 突板(つきいた)
- 集成材(しゅうせいざい)
- 合板(ごうはん)
などがあります。
集成材
木材について詳しく触れている記事もありますので、
詳細は下記をご覧ください。
そして、なぜ無垢材にヒビ・割れが多いかというと、
下記が大きなポイントです。
過度な乾燥
ヒビ・割れのほとんどは、
過度な乾燥が主な原因となります。
木材は加工後も周辺の湿度に合わせ、
水分を吸収・放出しています。
よく見聞きしますが、「木は呼吸している」
という事は、こういうことを指します。
乾燥期など、周囲の空気が乾燥すると、
木材内部の水分が徐々に失われ、
木材が収縮してヒビや割れが発生するという事です。
人間に例えると、唇が乾燥するとひび割れる
という事と同じと思えば分かりやすいでしょう。
ヒビや割れの発生を防ぐ予防策とは?
それでは、ヒビや割れは無垢材に発生しやすく、
どういった理由でなるかが分かった所で、
それをどう防ぐかという部分です。
下記、詳細を見ていきます。
配置場所に気を付ける
今回は分かりやすくダイニングテーブルを例に
お話いたしますが、レイアウト、つまりは
家具の配置場所に気を付けるという事です。
例えばダイニングテーブルを置く部屋は、
概ねLDK(リビングダイニングキッチン)や、
DK(ダイニングキッチン)になるでしょう。
そして、お部屋の中でも乾燥しやすい場所、それは、
エアコンの風が直撃する場所です。
ここも人間に例えると、ずっとエアコンが付いた
部屋にいると、乾燥しますよね。
無垢テーブルの場合もダイレクトに影響を受け、
過度に乾燥しますので、エアコンの風が当たる場所は、
できる限り避けましょう。
また、窓際などで直射日光が当たる場所も
注意が必要です。
窓に近い場所に置くことは多々あるかと思いますが、
直射日光が直撃しないよう、
カーテンなどで工夫しましょう。
日中陽が当たり温度が上がると膨張し、
夜になり冷えると収縮する。
このサイクルを続くと、膨張⇔収縮が繰り返され、
ヒビや割れに繋がります。
湿度を意識する
乾燥が良くないという事は、逆に言えば、
過度に乾燥させなければいいという事です。
上記の配置場所に気を付けつつ、
特に乾燥しやすい時期には、加湿器などを使い、
お部屋の湿度を保つようにしましょう。
湿度の目安は、50%前後にすることで、
予防に繋がります。
ヒビや割れが入ってしまった際の対応方法とは?
ここで改めてにはなりますが、対策を図り、
日頃から予防を行っていても、必ず無垢材が割れない
という事ではない事は、理解しておきましょう。
今までにも何度か触れておりますが、
天然素材・木材を使用するという事は、
ある程度その特性を理解する必要があります。
同じものは2つとない、天然素材の特性を楽しみましょう。
https://www.receno.com/pen/maintenance/u12/2025-05-26.php一旦何もせず様子を見る
本題に戻りますが、もしヒビや割れを発見した場合、
まず何をするかという部分ですが、
一旦何もせず様子を見るが、1つの正解です。
上記でも触れましたが、木は膨張と収縮を
繰り返しています。
そしてヒビは、木材が収縮した際に発生しますので、
また膨張すればヒビもまた収まる可能性があります。
自身も、無垢のダイニングテーブルを使用しており、
軽微なヒビが入っていた時期もありますが、
あまり気にせず使い続け、いつの間にかヒビも収まり、
どこにあったかも覚えていない程です。
軽微なヒビぐらいであれば、あまり気にせず、
湿度を意識して使い続けて様子を見てみましょう。
自宅でできる補修方法とは?
それでは最後に、自宅でできる補修方法を
ご紹介いたします。
先ほどもお伝えした通り、軽微な場合は湿度を意識し、
ある程度暖かい季節になるまで
様子を見てみるのが良いでしょう。
少し大きめなヒビや、使用に差し支えが
発生する場合は、自宅でも補修が可能です。
30分程あれば、メンテナンスが可能ですので、
その流れを見ていきましょう。
今回は、無垢のダイニングテーブルで、
側面からヒビが入ったものを使用します。
① 必要なメンテナンスグッズを用意します。
まずは、お手入れに必要なアイテムを用意しましょう。
- 木工用パテ
- ヘラ
- 補修ペン
- 布巾
- マスキングテープ
木工用パテや補修ペンは、ご家庭にないと思いますが、
ホームセンターやAmazonなどで安易に手に入ります。
補修ペンは、1色だけではなく、
色味違いを数本用意しておくと良いでしょう。
② パテを埋める前にマスキングテープで養生します。
それではまず、天板を一度拭いた後、
ヒビが入った部分の両サイドに、
マスキングテープを沿うように貼り付けていきます。
オイル塗装仕上げのテーブルの場合は、
ヒビ周りが平滑になるよう、テープを貼る前に、
紙やすり#240辺りで軽く表面を慣らしておきましょう。
(今回はウレタン塗装ですので、行いません)
ヒビが入った部分を覆う事ができれば、
次の工程に進みます。
③ ヒビや割れの隙間にパテを埋めます。
次に、ヒビの部分にパテを埋めていきます。
こちらは、塗るというより隙間を埋めるという具合に、
パテを使って伸ばしながら隙間に入れていきます。
細い線のヒビの場合などは、
つまようじ等を使ってもいいでしょう。
表面だけではなく、隙間の中に入れ込むように
一度で無理な場合は、2度塗りなど行い、
しっかりと伸ばしながら埋めてください。
パテを塗り終えたら、乾燥しきるまで少し待ちます。
乾燥すればマスキングテープを剥がし、
表面を布巾で拭き、平滑に整え、最後の工程です。
④ 補修ペンで色味の仕上げを行います。
最後の工程は、パテで埋めた箇所を、
天板の木色に合うように、補修ペンを使って
仕上げを行います。
この時、表面の木色より少し濃い色で、
木目に繋がるように塗ると自然な仕上がりになります。
数本色味違いの補修ペンを用意しておくと、
この段階で微調整ができ、何度か試しながら、
自身が気にならない程度に仕上げましょう。
いかがでしょうか。
ヒビの部分はほとんど見えなくなりました。
色味を揃えると、肉眼でもぱっと見分からない程に
補修が叶いました。
こちらでパテ埋めは一通り完了です。
補足 蜜蝋を使って補修も可能です。
パテ以外にも、蜜蝋を使っての補修方法もあります。
詳細については、こちらをご覧ください。
天然素材である蜜蝋を使った木製家具のメンテナンス方法をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/maintenance/u41/2025-01-15.php天然木の特性を理解し、適切なお手入れを行いましょう。
天然木に発生するヒビや割れについて、
いかがだったでしょうか。
内容的には意外とシンプルではないでしょうか。
何度も触れますが、個人的には人間に例えると
イメージしやすく、いつもお店でお客様に
お伝えする際はそのようにお伝えしておりました。
それでは最後にまとめておきます。
▼木材にヒビや割れが入る原因とは、
- 過度な乾燥・急激な温度変化
▼ヒビや割れの発生を防ぐ予防策とは、
- 配置場所に気を付ける
- 湿度を意識する
▼ヒビや割れが入ってしまった際の対応方法とは、
- 一旦放置し、様子を見る
▼自宅でできる補修方法とは、
- 必要なメンテグッズを用意しよう。
- パテを埋める前にマスキングテープで養生しよう。
- 割れの隙間にパテを埋めよう。
- 修正ペンで目立たなく仕上げよう。
です。
一度購入すると、中々買い換えない家具において、
日頃のお手入れやメンテナンスは、長く良い状態を
保つためには必要不可欠です。
家具を長くキレイに保つために知っておくと良いこと
https://www.receno.com/pen/maintenance/u41/2023-10-12.php無垢のテーブルでオイル塗装の物は、
オイルを塗る事も非常に重要ですので、
可能な限り行うようにしましょう。
味わい深さや愛着もより湧きますので、
育てる感覚で家具に寄り添いましょう。
定期的にメンテナンスして、オイル塗装の家具をより味わい深いものに育てましょう。
https://www.receno.com/pen/maintenance/u41/2024-02-13.phpまた、お手入れの動画も順次リリースしていますので、
お困りごとがあった際は、一度覗いていただけると
嬉しいです。
自宅でできる家具のお手入れ集
木材のメンテナンスアイテムはこちらから。
それでは、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
















リセノ品質管理部
BM 山本
品質管理 遠藤