公開日 2023年02月21日(火)
更新日 2023年08月25日(金)
【やわらかく、ひびく。】真夜中のお茶会
予想外に降り始めた雪に向かって自転車を漕ぎ、
帰路についたある夜。
やっとの思いで玄関のドアを開けると、
その日はリビングに明かりが付いていました。
「ただいまー」
そのままリビングに入っていくと、
みんなが温めていた空気で、ホッと一息。
誰かが食べた、にんにくとごま油の香り。
お腹の減りに拍車がかかります。
「おかえりー」
「なんかいい匂い。晩ごはんなに作ったのー?」
そんな会話から始まる、ある夜の一コマ。
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以前に少し書いたことがあるけれど、
私はシェアハウスに住んでいます。
1階には共用のLDKがあって、
2~4階に4部屋ずつ、それぞれの個室。
玄関からLDKまでの廊下にエレベーターがあって
疲れていたら自分の部屋に直行もできる、
そんな優しい配慮もあふれる住処。
仕事や勉強に趣味、みんなそれぞれ忙しい日々だから
いつもリビングでワイワイなんてことはないけれど、
タイミングが合ったときはちょっとおしゃべり。
たまに即席ティータイムがはじまる、なんてことも。
塩トリュフチーズあられは、クセになるしょっぱさでした。
「これ、めっちゃ美味しかったお菓子。どうぞー」
「これ、作ったから食べません??」
サービス精神旺盛な人たち。
ひとりの一言が呼び水になり、
気付けばあっという間にいろんなお菓子が集まって
深夜の束の間の癒やしタイム。
大家さんからは、愛にあふれるバレンタイン。
家族でもなく、ここで出会って
たまたま生活を共有することになった人たち。
そんなメンバーが心地よく暮らせていることは
奇跡のようなことだなぁと、しみじみ感じます。
それは大家さんの大らかで温かな人柄のお陰であり、
一人ひとりの思いやりが築き上げてきた賜物。
当たり前になっていることが、有り難い生活。
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別の大雪の日。冷蔵庫の中には手作りケーキが・・!
疲れたとき、「つかれたーー」って吐き出した言葉を、
「つかれましたねー」って受け取ってもらって。
ただそのやりとりで、ふっと緩む。
それぞれ頑張る時間も愛おしいけれど、
張り詰めてばかりはいられないから。
せっかくシェアしているこのときこの瞬間、
いいときも、ちょっとしんどいときも、
いろんな人の波が重なって、
真ん中に戻ってこれることがありがたい。
誰かが私のちからになってくれている。
そう考えると私だって、時には誰かの力になれている、
と思ってもいいのかも・・?
コロナ前は、こんな感じでたまにパーティーすることもありました。
「なになに?仕事して帰ってきて、
これから野菜切って料理するの!!すごい~~」
「え!!わざわざご飯、レンジでチンするんですか!
えらいなぁ~」
そんな茶番掛かったやりとりも、
ふざけた感じで言い合っているけど、わりと本気。
え、甘やかしすぎ?甘やかされすぎ?
いやいや、きっとそんなことはないはず。
ちょっと緩んだら、それが明日につながるんですから。
「じゃ、おやすみなさーい」
「また今度、一緒に甘いものでも食べよー」










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