
公開日 2025年06月18日(水)
更新日 2025年06月26日(木)
【にちにちこれ、好日】
4年間のありがとうと、これからもよろしくと。
みなさんこんにちは。
梅雨がはじまり、
じっとりと肌にまとわりつく空気と、
繁茂する草木の強い香りを感じる近頃。
この間、お風呂上がりに
無音のリビングで娘たちと寛いでいたら、
「いい音が聞こえてきたねー」
と長女がぽつり。
何のことかと思ったら、
今し方降り始めた夜雨の音の事でした。
雨好きなんや? と伝えると、
「雨降ってる日は気持ちよく寝られるで」という娘。
あなた、
いつから環境音を癒しと感じるようになったの?
とちょっとびっくりしました。
またある日は、
祖父母と家族と共に紫陽花を見るために、
雨の降り頻る中、長岡京の善峯寺へ。
山の中腹に建つお寺ということもあり、
境内はハイキングコースかと見紛う勾配で。
大丈夫か...?と心配していましたが、
思った以上に楽しんでくれていました。
長女の自信作
さらには娘たちを撮るために持参したカメラを、
娘が使いたいと強く希望。
「ここ可愛いから撮ってみる!」と
彼女なりの世界の切り取りを勤しむ姿に、
私たち大人と同じように何かを感じ、
それを表現することを楽しんでいるんだな。
と、胸が熱くなるものがありました。
あれからもう4年弱か......。
このエッセイの連載が始まった時、長女は4歳。
今はもう8歳になる年。
そして、次女も1歳から5歳に。
彼女たちはそれぞれ毎日の営みに、
悲喜こもごもとするようになりました。
よく子供たちとの過去を思い出しては、
無常の愛しさに打ちひしがれる事があります。
と同時に、ずいぶん子育ての道も
先に進めたもんだな、頑張ったな、
と自分を小さく褒めておくまでをセットとしています。
思い出すと言えば、
私自身について振り返ってみると、
どんなもんだろうかとも考えてみました。
自身の体感でいうと、
あまり何かが変わった気はしない。
でも過去の綴った文章を読んでみると、
これ別人が書いた?と思うような回があって
びっくりしてしまいました。
仕事観や人生観について、
言ってる事は分からなくはないけれど、
本当にそう思っているのか?
という回も正直あり。
こう言う時の私は、
「なりたい自分」
を書いていたんだろうな、と思います。
逆に食べ物の話や、花の話、
行事ごとについて書いている時の自分のスタンスは、
この4年間で面白いほど変わっていません。
観念や理念はブレているけれど、
娯楽の好みには強い一貫性がある。
つまり「欲望に忠実な人間だ」ということが
連載を読み返して如実に現れており、
こっ恥ずかしさもありつつ、
自分の新しい一面を知れた感慨深さもあります。
発見は大事ですね。
そんな四季折々の話題や、
私自身や家族について
綴らせていただいたこのエッセイも、
実は今回が最終回です。
4年ほど連載させていただきましたが、
日常を断片的に記すことの難しさを知れたこと、
自分の思考や行動について向き合って
発信する機会があったこと、心から嬉しく思います。
連載名の「にちにちこれ好日」は、
美しい心のありさまを糺す言葉として、
理想の自分を重ねて決めたタイトルです。
いい日も悪い日も、あるがままに受け入れる。
自分や家族たちの成長を喜ぶ日もあれば、
疲れや怒りを感じて荒れすさぶ日もあるけれど、
その生活をまるっと愛していけるように。
これからも「にちにちこれ好日」の心持ちで、
家族や友人と毎日を過ごしていきたいです。
ここまでお世話になった方々へ。
本当にありがとうございました。
またいつかどこかで。