公開日 2023年06月27日(火)
更新日 2023年07月30日(日)
【さて、どう暮らそう】余白づくりと、一石二鳥のモノ選び
こんにちは。空間コーディネーターの平野です。
リビングダイニングの空間づくりでは、
家具の選び方についてご相談いただくことが
多々あります。
家具選びをする際に、まず欠かせない作業は、
「その場で暮らす人が動きやすいために、
この家には、どれだけの余白が必要か。」
ということ。
例えば、ざっと16畳のリビングダイニング。
![]()
私が家具屋さんで販売の仕事をしていた頃に
この間取りを見せてもらったとしたら...
この中に置けるダイニングテーブルの最大寸法、
ソファーの最大寸法、とにかく詰め込むスタイル
でプランを考えていました。
今思い返したら、なんて提案をしていたのだと反省。
なぜかというと、「余白」という概念が
なかったからです。
人は、のびのびできる時間や場所があるからこそ、
自分らしく生きられる。
予定がぎゅうぎゅうに詰め込まれていると、
息が詰まる。
時間の使い方の上手な人は、スケジュール帳を
あけて、まず休みから固定している人が多いな
と思ったりします。
それと一緒で、暮らす場所、とくに家にいる時間の
中では、家族が一番集うであろうリビングダイニング
がモノで溢れていると、自然と集いづらくなります。
そこにいる人は、息が詰まり...
そして、家族が各部屋に散らばっていくという
現象が起こりがちになります。
余白を確保し、スムーズな動線が作れていたら、
動く人も寛いでいる人もストレスがたまらない。
空間づくりをイメージすると、家具やカーテンを
選んでいく作業は、「足し算」と思いがちでは
あるけれど。
「いかに引き算上手になるか」が自分たちらしい
空間をつくる最大のポイント。
手順は、こんなイメージです。
- リビングダイニングの広さを把握する
- その中で自分たちが必要な余白を確保する
- 残ったスペースに何を置いたらいいかを考える
ソファーは、必要かどうか?
今の生活にはどういう配置が快適か?
を余白を基準にして紐解いていくのです。
この引き算の理屈がわかると、
本当に必要なモノを選べるようになります。
そうなると、モノ選びに不安がなくなる。
「周りの人が使っているから」ではなく、
「私が、私たちが使いたいから」と思える
ようになると、自ずと自分の暮らしに必要な
物量もわかってくる。
何一つ無駄がなくなる方程式だな、と
いつも感じています。
そして、「余白をつくることで心の余裕もできる」
という嬉しいおまけ付き。
![]()
モノ選びの理屈がわかってきたら、
さらにおすすめしたい事がもうひとつ。
それは、「一石二鳥のモノ選び」。
ひとつのモノが時と場合により、
如何様にも変容し、いろんな用途がうまれる
モノを選ぶということ。
分かりやすく「一石二鳥」と書きましたが、
私自身の暮らしでは、「一石三鳥」のモノ選び
をしています。
例えば、器。
蕎麦猪口は、湯呑みにもなり、小鉢になり、
ヨーグルトやデザート入れにもなる。
![]()
例えば、布。
マルチクロスを選べば、テレビを観るときの
ブランケットに、寝る時のベッドプレットに、
遠出のときには、車に積んでお昼寝用の布団に。
突っ張り棒にかけて、のれんがわりも。
![]()
例えば、家具だと...
固めのデイベッドソファーを選んでみると、
ソファーになり、ベッドになり、座卓にもなる。
我が家、これは自分たちでも120点のモノ選び
だったなと、満足しています。
ちなみにこのソファーは今、
娘のお部屋(4.5畳)に置いています。
![]()
小学校から下校後、近所のお友だちが来て
一緒に宿題をするのが習慣の娘。
クッションをおろして、ソファーを机に変身させ、
2人並んでラグマットに座り、宿題を広げる。
そして、真ん中にはおやつが置いてある。
なんとも微笑ましい光景。
このデイベッドソファーは、娘が巣立つ時に
持っていくと言ったらいいな...なんて、
密かな母の楽しみです。
家族の暮らし方が、年々変わるように、
生活スタイルによりモノの用途も変わってきます。
「お役御免だよ。」ではなく、
「次は、こんな姿で寄り添ってね。」と。
そんな想いを込めて、
モノたちとも共に過ごしたいなと。
我が家にあるいろいろなモノを眺めながら、
今改めて思います。
「余白」と「一石二鳥」が浸透したときに、
見える景色や感じる気持ち。
皆さまに味わって頂きたいなと、
そう願いながら、綴ってみました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。










maho
masha
moegi
siippo