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「レザールームシューズ」の企画経緯と
コンセプト設計についてお話します。

こんにちは。ヤマモトです。

Re:CENO productから、雑貨プロダクトの新作第2弾
「レザールームシューズ」をリリースします。

ナチュラルヴィンテージの世界観にフィットする様な
ルームシューズを作ろうと思い、新たにデザインした
シンプルベーシックな意匠のルームシューズです。

ただ、シンプルベーシックながら、この製品の特長的
なポイントは、床革(トコガワ)という革を使用する
ことで、独特な質感を表現し、それと同時に本来は
捨てられる革を使うという「サステナブル」な製品に
仕上げました。

本日のマガジンでは、このレザールームシューズの
企画経緯とコンセプト設計を紐解いていこうと思います。

サステナブルの視点で、捨てる革を活かす。
「床革(トコガワ)」で仕立てました。

20201222-02.jpg

このルームシューズは、牛の床革(トコガワ)を使用
しています。

「床革」とは、革をスライスしたときに出る2層目に
あたる部位のことです。

20201214.jpg

一般的に「革製品」としてみなさんが目にしているの
は、一層目の「銀面(ギンメン)」を使用したものです。

これに比べて「床革」は、銀面を取った後の残りの革
であり、一般的に耐久性が銀面に対して劣るため、
価値が低く見なされ、捨てられたりする事もあります。

20201222-31.jpg

ただ「床革」はとても柔らかく、表面は起毛した様な
独特の質感があり、触り心地が良く、銀面の革には
ない特徴を多く有しています。

サステナブルの視点からも、牛の命からの貴重な素材
を捨てるのはもったいないので、いわば「ホルモン」
の様な感じで愛される製品を作れないかな......と、
考えはじめました。

そこで、僕たちの強い味方である京都の革職人さんに
相談し、床革をルームシューズとして使える製品に
すべく、耐久性をもたせる工夫がスタートしたのでした。

20201222-19.jpg

製作は、おなじみ京都の革職人に依頼。
何度も作り直して完成しました。

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前述の通り、生産はレザーティッシュケースと同じく、
京都の革職人さんに依頼しています。

リセノからの依頼は、毎度のことながら全体的に
ふわーっとしたお願いが多く、今回も試作に次ぐ試作
で、半年間で10足以上を作ってもらってしまいました。
(本当にすみません汗)

20201222-34.jpg

ただ、今回も本当に細かな要望に、丁寧な仕事をして
いただき、また、ルームシューズに床革を採用すると
いう今までにない製品であることで、本当に二人三脚
で作り上げました。

完成まで持っていけたのは、職人さんの豊富な知識と
高い技術があってこそだと、心から感謝です。

20201222-23.jpg

「床革」を丁寧に塗装することで、
美しく、耐久性も上げる。

スクリーンショット-2020-12-16-17.05.jpg

前述のとおり、床革は一般的な銀面の革に比べて、
耐久性が劣るのが弱点です。

ちなみに聞きなじみのある「スウェード」「ベロア」
も、牛や羊などの「床革」を加工したものですので、
耐久性が著しく悪いわけではありません。

ただ、プレーンなそのままの状態では、やはり製品と
して弱いのも確かです。

そこで「撥水・撥油・防汚」の効果のある液体を、
ひとつひとつ手作業で塗っていく事で、革に張りを
与え、また同時に汚れや、水濡れに強くする効果を
与えています。

20201222-35.jpg

スタッフ宅の洗面所で試したところ、しっかりと水を
はじいてくれました。

20201222-36.jpg

塗装を厚くしすぎると、表面がテカテカになり、また
独特の風合いと柔らかさが無くなってしまいますので
薄めに塗装しています。

そのため、完全防水というわけではありませんが、
個人的には、レザー製品はピカピカな状態を保つより
も、ある程度スレや汚れがつきながら、味わいを増し
ていく方が素敵と思っていますので、ちょうど良い
くらいの塗装具合かなと思っています。

20201222-20.jpg

使い始めから柔らかく、足なじみも抜群です。

20201222-04.jpg

床革は柔らかな質感を持っていますので、使い始め
から、比較的柔らかく「足の甲が革にあたって痛い」
なんてことがありません。

使い始めは、多少の革の硬さを感じますが、1~2週間
も履いていれば、あっという間に柔らかさが出てきます。

さらに使っていくごとに柔らかく、足にフィットする
ようになり、僕も3か月ほどオフィスで使っていて、
どんどんと足に馴染んできている感覚があります。

20201222-12.jpg

また、全体的に繊細さを感じる意匠にするために、
革は薄めに仕上げていますが、インソール部分には
クッションを入れ、底当たりのない、柔らかな履き
心地を感じる様にしています。

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また、レザーティッシュケースと同様に、インソール
部分にブランドロゴも入れました。

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「生成りのナチュラル」と「ムラ感のブラウン」
の2カラーを作りました。

20201222-10.jpg

カラー展開は、ナチュラルカラーと、ブラウンカラー
の2色展開です。

ナチュラルカラーは、着色はせずに保護塗装のみの
仕上げです。革がもともと持つ淡いベージュ色に仕上
げており、美しい女性的な色合いが特徴です。

20201222-17.jpg

ブラウンカラーは、1点1点職人の手で、あえて手塗り
で着色していいます。

手塗りで行うことにより、独特のムラが表現されて、
アタリ感のある仕上げにしています。

4P6A9120.jpg

スクリーンショット-2020-12-16-16.57.jpg

スプレーガンなどで吹くと、ムラなくきれいに仕上が
るのですが、あえてそれはせず、手作りの良さを表現
しています。

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さて、ひとつ事前に知っておいていただきたいのが、
動物という個体差のある生き物の革を使うのが革製品
なので、同じ製品でも革のニュアンスが違ったり、
塗装の発色が微妙に異なったりと「差」が出ます。

この製品は、そういった個体ごとの質感や色のムラも
味わいとして楽しんでいただくことを前提とした製品
ですので、例えば、2足ご注文いただいたとしても、
まったく同じものをお届けすることはできません。

あらかじめご了承いただければと思います。

20201222-26.jpg

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サイズは、メンズ・レディースの2種類。
いろんな足にフィットする様に設計しています。

20201222-25.jpg

サイズ展開は、メンズサイズと、レディースサイズ
の2サイズ展開です。

社内のいろんな足サイズのスタッフに履いてもらって
検証した結果、メンズ/レディースで区分けするには
ソールの長さがポイントだという事が分かってきました。

通常のルームシューズの場合、例えば、女性で足の大
きい人だと、レディースサイズだとソール部分が微妙
に足りなくて履きづらく、メンズサイズだと大きくて
これもまた履きづらいわけです。

なので、ソールの長さは3回くらい試作しなおして、
履きやすい長さに調整しました。ソール部分を少し
だけ長めに作りましたので、どんな足サイズの方にも
わりと良い感じで履いていただけると思います。

20201222-33.jpg

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こだわりを詰め込んだ「ルームシューズ」
2020年12月25日より予約発売を開始します。

20201222-03.jpg

というわけで、新作のレザールームシューズの
コンセプトと設計のポイントを書いてみました。

12月25日にオンラインにて予約販売を開始しまして、
東京店・京都店の展示も含めて、お届けできるのは、
3月中頃を予定しています。

京都の職人さんの手作りの製品で、大量生産できない
ため、初回生産は各色・各サイズ6点のみとなります。

ご検討いただける方は、予約にてお早めにご購入いた
だければと思います。

20201222-01.jpg

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Re:CENO product|レザールームシューズの購入はこちら
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