
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げるセオリーの「基礎」をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/beforestyling/u4/2024-07-05.php【お知らせ】 ゴールデンウィークの営業と配送について
美しいお部屋とは、どんなお部屋でしょう?
リセノが考える「美しいお部屋」とは
という状態だと思います。
たとえ、美しい名作家具をお部屋に配置したとしても、
ほかの家具との調和がとれていない状態では、美しく
ありません。
また、家具やインテリアをきれいに配置していたとして
も、ノイズとなる日用品が散見されるようでは、それも
また美しい部屋とは言えませんね。
また、きれいに整理されていても、生活動線が悪かった
り、品質が低く、使い心地の悪い家具では、リラックス
した時間を過ごせないでしょう。
つまり「美しいお部屋」とは、ただきれいなだけでは
なく、さまざまな要素が一定以上のクオリティにある
ことが大切になります。
そして、それらの要素をを整えることを総称して、
「インテリアスタイリング」と呼ぶのです。
理解しておいていただきたいのは
「インテリアスタイリング = 装飾・ディスプレイ」だけではない
ということ。
「装飾・ディスプレイ」は、スタイリングの一側面に
すぎません。
この記事では、スタイリングというものを丁寧に紐解き、
美しい部屋を目指すためのステップを、誰もが楽しみな
がら作れるヒントを提示していこうと思います。
さて、わたしたちの提唱するインテリアスタイリング
において「目指すゴール」を最初に共有しておきましょう。
インテリアスタイリングで、目標とするのは、
次の2つのバランスが良い状態です。
まずは「使い心地」についてです。
家具やインテリアは、普段の暮らしで「道具」として
毎日使う物です。
ですから、座り心地であったり、触り心地、使いやすい
設計、サイズ、(照明なら)明るさ......など、快適な使
い心地を有していることは、絶対条件です。
いかにデザインが美しくとも、座り心地の悪いチェア
は要りませんし、サイズの足りないテーブルも×です。
また、素敵な照明であっても、明るさが足りなければ、
役に立ちませんね。
つまりは、家具は「暮らしやすくするための道具」で
すから、機能性としての「使い心地」を備えている事
は、とても大事なわけです。
これを専門的な言葉で言うと「機能美を有している」
という言い方をします。
使い心地 = 機能美
このように、家具やインテリアを選ぶ際には大前提と
して「使い心地が良い」という点が必要です。
そして、この「使い心地」を構成するのは、3つの要素
と定義しています。
美しい部屋 | 美しくない部屋 | |
---|---|---|
利便性 | サイズ、動線、配置が良く、 快適で暮らしやすい | 使いづらく、暮らしにくい 例)動線が狭い、テーブルが小さい |
品質 | 品質が良く、リラックス・癒しを感じる | 心地が悪く、落ち着かない 例)座り心地が悪い |
整理 | 片付いていて、見せたくないものは 収納されていて使いやすい | 見せたくない日用品が目に付き、 暮らしに悪影響がある 例)散らかっていてストレス |
使い心地(機能美)をもつ部屋は、利便性が高く、毎日
の暮らしがスムーズで快適です。
適切なサイズやレイアウト、家具の品質、適切な照度
などがそれにあたります。
座り心地の良いソファーや、適切な明るさの照明など
は気持ちが良く、リラックスして過ごせるようにして
くれます。
前項でお話した「使い心地」について、多くの人が
「そりゃそうだよ。当たり前だよ。」と、思われる
方が多いことでしょう。
必要なサイズのテーブルがなければ、人数分の食事を
置けませんし、快適な座り心地のチェアがなければ、
食事を楽しみながらの会話も弾みませんね。
「使い心地」は、絶対条件です。
では「使い心地」が、十分に足りている家具があれば
暮らしは豊かになるのでしょうか?
答えは「NO」です。
もし、多くの人が「使い心地」だけで満足するのであ
れば、ファッションは、おしゃれを楽しむ必要はなく、
寒さをしのげればいい、体を隠せればいいということ
になってしまいます。
また、食事であれば、お腹が膨られればいいという事
であれば、美味しい食事を楽しむ必要さえ無くなって
しまうでしょう。
つまり、人というものは
機能が満たされれば、満足という風にはできていない
のです。
そして、それは家具選びにおいても、例外ではありません。
だからこそ「使い心地」と同時に、とても重要になっ
てくるのが「見心地」という考え方です。
「見た目の美しさ = 見心地」が大事なのは、なぜでしょう。
その答えは、人は美しいものを見たり、触れたりする
ことで、心が喜んだり、気持ちが安らいだりする感覚
を得るからです。
家具やインテリアは、日々の暮らしの中で、幾度とな
く目にしたり、触れたりします。
それは一年を通して毎日の事ですから、お気に入りの
洋服などよりも、さらにさらに多いのです。
暮らしの中で、ふと目にしたり、触れたりした時に、
「きれいな椅子だな。素敵だな。」
「美しい照明だな。買ってよかったな。」
「このソファー、最高だな。」
といった風に「美しいものを、見て楽しむ」という
満足を感じることができます。
これを「機能美」に対して、「装飾美」と言います。
見心地 = 装飾美
そして、この「見心地」を構成するのは、4つの要素と
定義しています。
美しい部屋 | 美しくない部屋 | |
---|---|---|
統一感 | 家具、インテリアに統一感がある | 統一感がなく、バラバラしている 例)チェアのデザインが揃っていない |
バランス | 空間の家具・インテリアの配置バランスがよい | 配置バランスが悪い 例)狭かったり、ぽっかり空いている |
注目 | 目を引くポイントやアイテムがある | のっぺりとしていて、単調で面白みがない 例)飾り気がない |
愛着 | 個性を感じるアイテムを取り入れている | 個性を感じない 例)ビジネスホテルのよう |
4つの要素が上手に成立しているお部屋は、見た目が良
く、美しさを感じさせます。
そして「使い心地」と「見心地」の要素をしっかりと
表現できている部屋は、快適な暮らしを提供し、また、
心の充足も与えてくれるのです。
そして「使い心地」だけでなく、「見心地」が揃った
家具を使うことで、ひとつの感情変化が起こります。
それが「心の充足」です。
これは、ずっと欲しかった洋服を手に入れた時や、素
敵なレストランで、特別に美味しいご飯を食べた時、
特別なホテルや、旅館などに泊まった時などに起こる
感情に近いものです。
つまりは、
「いいものを手に入れて、嬉しいな。」
「貴重な経験ができて、嬉しいな。」
「よく頑張って働いた自分を褒めたいな。」
という、自分自身を褒めてあげたいような、手に入れ
た喜びをかみしめるような、そんな満たされた感覚です。
これが「心の充足」です。
ただ使うために必要な機能だけを備えた家具と異なり、
「使い心地と、見心地」の両方が合わさった家具を手
に入れた時には、こんな感情が起こるのです。
なぜそう言い切れるのかというと、僕自身が20年以上
もインテリア業界で仕事をしてきて、ふつうの人より
も、たくさんの家具、たくさんの家、たくさんの経験
を、広く、深く積んできたからです。
「使い心地と、見心地」から得られる「充足感」は、
僕自身が、日々、実感しています。
その感情を早くに知った僕は、自宅には美しい家具を
配しています。
それらがふと目に入る度に
「あぁ。なんだかいいな。満足だな。嬉しいな。」
と思うのです。
例えば、リビングから見るダイニング。
目に入るダイニングテーブルとチェア、照明の美しさ
に心が安らぎ、持っている嬉しさに思わず「にやり」
とします。
家具は良いものは一生使えますから、この美しい家具
によって、ずっと気持ちを喜ばせ続けることができる
のです。
また、ダイニングから見るリビング。
そこにあるソファーの美しさには、いつまでも眺めて
いたくなる感覚があり、また、アートに目をやると、
その調和に、心が落ち着く感覚があります。
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こんな風に、家具やインテリアには
・「使い心地」としての美しさ = 機能美 = 利便性
・「見心地」としての美しさ = 造形美 = 充足感
の2つがとても大事だとわかります。
機能美だけでは、用は為すものの、心の充足までには
至りませんので、同時に「見心地」の良いものを選び
「心の充足」に達する事が、美しいお部屋作りの要素
だと思うのです。
使い心地 + 見心地 = 充足感
「使い心地と、見心地」が揃った家具を使うことは、
「心の充足」につながるという考え方をご理解いただ
けたでしょうか。
この考え方は、実は「家具選び」に限ったものではな
く、ファッションや食事、宿泊、生活用品などなど、
すべての物事に通底する考え方でもあります。
デフレの日本では100円均一ショップを筆頭に、どう
しても「安くて、良いもの」にフォーカスが当たりが
ちです。
でも、やはり「高くて、良いもの」を使うことには、
その「造形美」を愛でることができるという特典が
あるとともに「自分自身を褒める、認める」という
充足感を感じるまでがセットになっているのです。
ここで注意していただきたいのは
「高価なものが、絶対に良いものだ。」
という言っているわけではありません。
安くても、自分のなかで「使い心地と、見心地」が
満足できるものもたくさんあります。
基本は、価格の話ではなく、
使い心地 + 見心地 = 充足感を感じることを目的にする
という「充足感」までを1つのセットとして考えることです。
もちろん「使い心地と、見心地」が良いからこそ、
価格が高いものは、たくさんあります。
誰しもが持っているお金は有限ですから、自分の中で
どこにお金をかけるのか、かけないのかを、選んでい
くことが大切なのです。
ちなみに、リセノで取り扱う家具は、質の良い材料や
質の良い職人などによって、高い価格の家具もたくさ
んあります。
それは、家具の企画・設計・デザインを手掛けている
僕自身が「使い心地と、見心地」を兼ね備えた家具の
価値を知っているからこそ、安価な材料で、数年しか
もたないような家具を、提供したくないからに他なり
ません。
高価な家具は、品質が良いので、10年、20年、30年と
いう長いスパンで使い続けることができます。
ものによっては、子供から孫へと、使い続けられる
家具もたくさんあります。
北欧家具などは、その象徴的な家具です。
代々使えるような丈夫で、長く飽きずに愛でることの
できる家具は、安価な家具を数年経って捨ててしまう
よりも、結局、コスパは格段に良いです。
例えば、
1万円のチェアを1年で捨てると、10,000円÷365日=「1日あたり27円」
10万円のチェアを20年使うと、100,000円÷7,300日=「1日あたり13円」
という計算になり、初期投資は高くかかるものの
最終的には、半分の価格で済むわけです。
しかも「1日あたり」は、「同じ1日」ではなく、
「心が充足し、豊かな気持ちの1日あたり13円」
と
「価格で選んだものを、仕方なく使う1日あたり27円」
ですから、その価値は歴然なわけです。
今回のマガジンでは、具体的な家具選びの方法という
ことの前段階として、
・どういう基準で家具を選ぶと良いのか
という「概念」や「思考」的なものにフォーカスして
書き記してきました。
家具選びは、初めての方には何を指針に選べば良いの
かの見当が付きづらいものです。
それがゆえに、その場しのぎの安価な家具を買ってし
まうと、後々に、結局は買い替えたくなってしまい、
「安物買いの銭失い」になりがちです。
家具選びの際には、
・使い心地
・見心地
の両面を備えた家具を選び、日々の心の充足までを
イメージしながら、選ぶように心がけましょう。
そうすると「一人暮らしする時に、初めて買った家具」
が、一生物として長く愛用できる「唯一無二の家具」
になるかもしれません。
本投稿が、家具選びの考え方についての参考になれば
嬉しいなと思います。
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げるセオリーの「基礎」をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/beforestyling/u4/2024-07-05.php
リセノの各店舗には、リセノの提唱する「センスのい
らないインテリア」のセオリーについて研修を受け、
社内試験に合格したスタッフが在籍しています。
記事だけでは分かりづらいところや、具体的なセオリ
ーの使用方法などについては、ぜひ店舗にてスタッフ
にご質問いただければと思います。
※おかげさまで土日祝についてはたくさんのご来店を
いただく関係上、ゆっくりとご案内が難しい場合が
ございます。
平日などは比較的ゆっくりとご案内できますので、
宜しければご検討くださいませ。
各店舗の空き状況のご確認や来店のご予約は
以下よりお気軽にお問い合わせくださいませ。
「ふつうのお家を、美しく」というテーマのもと、お部屋を美しくスタイリングするためのセオリーを提唱し、オリジナルの家具や雑貨を展開するインテリアブランドです。
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