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ラタンチェア「WICKER CHAIR」の企画経緯と
コンセプト設計についてお話します。

こんにちは。ヤマモトです。

Re:CENO productから、新作チェアをリリースします。

このチェアは「北欧ヴィンテージから参照した優しい
フォルム」と「チークとラタンという自然素材を採用」
することで、ナチュラルヴィンテージスタイルの
アクセントとして取り入れたくなるような意匠に
仕上げました。

また、重量や素材からのアプローチによって、日々の
生活の「不」を解消し、家事の負担や、音のストレス
を軽減し、なおかつ快適な使い心地を生み出せる様に
設計しています。

本日のマガジンでは、この新作チェアについて、企画
の経緯とコンセプト設計について紐解いてきます。

「ナチュラルヴィンテージスタイル」の
アクセントになるチーク×ラタンチェア

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リセノでは「ナチュラルヴィンテージ」という
インテリアスタイリングを推奨しています。

ナチュラルヴィンテージは

「シンプルでナチュラルな内装をベースに、
 トーンを抑えた統一感のある家具を配し、
 ヴィンテージ感のあるアクセントアイテムを
 ミックスすることで、落ち着いた印象を与える
 インテリアスタイリング」

です。(詳しくは下記リンクをご参照ください)

「ナチュラルヴィンテージ」スタイリングのメリットと、実践ポイントを紐解きます。

このスタイリングは、賃貸・分譲マンション、一軒家
まで、シンプルな内装のお部屋でも、シンプルになり
すぎずに、素敵に仕上げることが出来ます。

「家具のトーンを揃えて、アクセントアイテムで味わい
をプラスする。」という分かりやすいルールがある事
が、コーディネートに自信がない方でも、失敗を減ら
してくれるのも良いところです。

そして、このチェアはその「ナチュラルヴィンテージ」
スタイルでポイントとなる「トーンとアクセント」の
両面を補完してくれます。

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木製部分は、ナチュラル・ブラウンの2色展開ですが、
ともにチーク材を使用し、Re:CENO productの他製品
とトーンを揃えています。

そして、ラタンという「自然素材」を背もたれと座面
に張ることで、そっけなくなりがちなダイニングの
アクセントとなる様にデザインしています。

下の画像をご覧いただければ、シンプルなダイニング
コーディネートながらラタンがアクセントになって、
味わいのあるシーンになっているのがお分かりいただ
けると思います。

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上の画像の様に、4脚セットで揃えていただいても
まとまりますし、

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こんな風に、ほかのチェアと2脚ずつなどで組み合わせ
ても良いアクセントになると思います。

また、張りのある座り心地なので、デスクチェアと
しての利用や、

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ドア横などにちょっとしたアクセントとしても良いと思います。

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いろんなシーンで、インテリアのアクセントとして
活躍してくれる使い勝手のよいチェアに仕上がったと
思います。

優しいフォルムデザインは、
北欧アンティークを参照しました。

14.jpg

ちなみに曲線を活かした優しいフォルムは、
北欧アンティークチェアを参照しています。

北欧アンティークには、無名のデザインながらも
美しい意匠の家具が多くあります。

こちらもそんなアンティーク品をイメージソースと
して用いて、そこを起点として座り心地を高めるため
に素材の選定、サイズの調整、座り心地や設計の見直し
などを行い、本製品として仕上げています。

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次章より使い心地を高めるために設計したポイントに
ついて、細かく解説していきます。

ゆとりのある幅50cmサイズと、
体にフィットする角度と曲線設計

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使い心地としてこだわった点として、座面幅を通常の
チェアよりもかなりゆとりのある<50cm>に設計し、
体の大きな男性でもゆったりと座っていただける様に
配慮しました。

座面も中央に向けて自然なカーブをつけることで、
太もも裏が痛くなりづらい仕様にしています。

18.jpg

また、背もたれには自然なカーブをつけることにより、
背中のラインにフィットするようにしています。

36.jpg

そして、座面も後方に向かって少し角度を付けている
ので、自然と体が後ろに倒れ、リラックスできる様に
設計しています。

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ラタンの張りのある弾力により、腰が落ちず、割と
しっかりとした座り心地のチェアです。

ただ、それでいながらも、ダイニングでゆっくりと
食事を楽しんでいただける様に、できるかぎり体の
負担を減らせるように設計をしています。

39.jpg

シンプルな意匠ながらも、サイズ、曲線、角度を
絶妙に調整することで、座り心地の良いチェアに
設計しました。

使うほどに味わいが深まる
「チーク」と「ラタン」

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このチェアは、Re:CENO productでは初採用となる
樹種「チーク」の無垢材を使用しています。

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チークは、世界三代銘木の一つに数えられる高級材で
油分を多く含んでいるため水分や湿気に強く、かつて
は、船の甲板材としても使用されていたほど耐久性に
優れた素材です。

木目は緻密で美しく、しっとりとした感触は、ながく
使っていくほどに深い味わいを増していきます。

4.jpg

また、座面と背もたれには「ラタンのピール(=皮)」
を編み込んでいます。

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ラタンは、非常に強い素材で、何十年と受け継がれて
いけるほどの耐久性があります。

非常に軽量ながらも、強さと柔軟性を兼ね備え、
また、使っていくほどに表面が深みを増します。

座り心地は、座面・背面ともにラタンの特性を十分に
活かした、しなやかな弾力を感じさせるものです。

木製の板座とも、ウレタンクッションとも異なる
張りのある座り心地は、とても快適です。

重量はわずか3.3kg
この軽さが家事の負担とストレスを軽減します。

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ダイニングで使うチェアは、暮らしの中心で毎日動かす
ので、その重量は、実はとても大事です。

座ったり立ったりする時はもちろんのこと、掃除機を
かける時にもチェアを動かしますよね。

チェアが重いと、掃除機をかけるのも一苦労ですし、
毎日のこととなると、かなり負担になります。

今回の企画では、なんとかチェアの重量を軽くして、
女性でも掃除機をかけながら、片手で「ひょいっ」と
持ち上げられる様な利便性を実現しようと考えました。

まずは僕自身もチェアというものの設計を理解する為
に伝統的な名作チェアから、現代の著名デザイナーの
新作チェアなど、計10脚以上(!)を購入し、自宅で
使いながら、1年以上にわたって、設計や心地などを
体感・研究しました。

様々なチェアを紐解いていく中で、ひとつの答えに
たどり着いたのは、チェアの重量に大きく関わるのは
「座面」であるということです。

多くのチェアは「板座」という土台になる木製座面が
あり、そのまま木部に座ったり、上からファブリック
やクッションを張っています。

木製の板座は丈夫で、これはこれで良いのですが、
どうしても木部分が増えると、チェアは重くなります。

これでは、女性が片手で「ひょいっ」と持ち上げる
ことは、かないません。

そこで今回採用したのが、ラタンです。

7.jpg

ラタンは木のように強度があり、長く品質が落ちず、
また、非常に軽量な素材です。

軽量化のためにペーパーコードを利用するチェアは
多くありますが、ラタンは、それよりも強くしなやか
で、さらに意匠的な趣もあります。

このラタンを座面の土台に採用しました。

また、表面素材にはラタンのピール(皮)を使って
編み上げることで、適度な弾力を得ています。

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このラタンの自然な弾力により、お尻のアタリも非常
に良いので、ウレタンクッションなども省くことが
出来、より一層軽量化しています。

これらの工夫によって、女性でも片手で持ち上げられる
ほどの大幅な軽量化に成功しています。

また、軽量化したことにより、もうひとつ利点が
生まれました。

それは、チェアを後ろに引いた時の「音鳴りの軽減」です。

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現代のフローリングは、オークなどの無垢材を張って
いるご自宅も多いと思います。

昔のようにツルツルのフローリングではなく、無垢材
の床は、木本来のあたたかみを感じさせてくれる為、
内装のクオリティを格段に高めます。

そのため、現代のおしゃれなリビングやダイニングは、
ほぼ無垢材を採用しています。

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無垢材フローリングで問題になるのが、チェアを引いた
時に生まれる「摩擦による音鳴り」です。

重量のあるチェアは、無垢床との摩擦が大きくなり、
大きく嫌な「音鳴り」がします。

毎日のことなので、一度気になりだすと、この音鳴り
は、意外とストレスになります。特に、僕のような
神経質寄りな性格の人には、たまりません(苦笑)

その点、軽量なチェアは、無垢材フローリングとの
摩擦が少なく、音鳴りも小さくなります。

ちなみに、僕が数か月自宅で実験した中でおすすめの
方法としては「カグスベール」のような床との摩擦を
軽減するシールを脚底に張ると、音鳴りがさらに軽減
されるので、おすすめです。

「スーッ」と滑るようにチェアを動かせる感触は、
なかなかの快感です。

チェアの座り心地や、見た目にこだわる方は多いと
思いますが、このように日々の暮らしから見つめ直す
と、実は「重量」はかなりポイントです。

とても軽いチェアに仕上がったので、ぜひその点にも
注目いただければと思います。

メンテナンスフリーで気軽にご愛用いただけます。

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ちなみに日々のメンテンナンスも、ほぼ必要ありません。

チークは油分を含んでいるため、オイルを塗ったりの
ケアは必要ありません。

ただ1点気を付けていただきたいのは、ナチュラル色の
チェアについては、無塗装のため、最初のうちは外から
の色を吸い込んでしまいます。

醤油などの色のついた水分をつけないように、注意して
いただければと思います。

使っていくうちに、チークが内部にもつ油分が表面に
出てきて、塗膜の代わりになります。

また、座面や背面のラタンピール(皮)も、水をはじき
ますので、飲み物をこぼしたりしても、さっと拭いて
もらえれば問題ありません。

メンテナンスフリーで、長くご愛用いただけるのも
良い点ですね。

「WICKER CHAIR」
2020年8月26日より予約発売を開始します。

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というわけで、新作チェアについて、企画の経緯と
コンセプト設計について紐解いてみました。

生活の「不」を解消しながらも、座り心地もよく、
デザインとしても美しい製品に仕上がりました。

座面などの張替えも国内で対応可能ですので、
長くご愛用いただけると思います。

東京店・京都店での展示はすでに開始しております
ので、気になる方は、ぜひ店舗へお越しいただき、
体感いただければと思います。

また、オンラインでは8月26日から予約販売を開始しま
して、9月上旬頃にはお届けできると思います。

ぜひご検討いただければと思います。

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