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「レザーティッシュケース」の企画経緯と
コンセプト設計についてお話します。

こんにちは。ヤマモトです。

Re:CENO productから、初めての雑貨プロダクトで
ある「レザーティッシュケース」をリリースします。

レザーティッシュケースは、世の中にいろいろと販売
されていますが、どうしても男っぽいのが多かったり、
装飾が多めだったり、塗膜がテカテカとしていたりと
個人的に欲しいものが、なかなかありません。

自宅用にも、長く使っていけるティッシュケースを
作りたいなぁと思っていた時に、地元・京都で良い革と
職人さんとの出会いがあり、プロダクト実現となりました。

本日のマガジンでは、このレザーティッシュケースの
企画経緯とコンセプト設計を紐解いていこうと思います。

「くたっ」とした質感を。
柔らかな見た目と触感にこだわりました。

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僕たちは「ナチュラルヴィンテージ」というテイストの
お部屋作りが出来る製品を企画・生産・販売しています。

ナチュラルヴィンテージの定義は、

「シンプルでナチュラルな内装に、ヴィンテージ
 ライクな要素をプラスすることで、日常にフィット
 するヴィンテージスタイルを」

というもので、僕たちが作った造語です。

家具でいうと、こういうテイストです。

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革製品は、その「ナチュラルヴィンテージ」テイストに
よくフィットするので、ずっと革を使った製品を
作りたくて、最適な革を探していました。

革とひとくちに言っても、いろんな革があります。

僕たちが求める革製品は、よくある「塗膜がテカテカと
厚い革」ではなく「自然な風合いを持つ素朴な革」で、
それでいて「触り心地は、柔らかしっとりした革」です。

なんというか「張り切った革」ではなく「優しい革」
とでも表現したら良いでしょうか。
そんな革を長く探していました。

ソファに張ることを前提に、中国やベトナムなどの
各地の革市場にも何度も足を運びましたが、なかなか
思ったような革とは出会えず。

事あるごとに社内企画にはあがるけど、やっぱり実現
しないというのが、何年か続いて、それでもやっぱり
実現できずにいました。

そんな中で、ご縁があり、京都に多数の革を扱うお店
と出会い、そこのオーナー職人さんに紹介いただいた
のが、今回採用の革です。

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この革を使うことで、使い始めから、くったりとした
風合いが漂うティッシュカバーにすることができました。

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レザーのティッシュケースは一生物。
メンテナンスフリーで、しかも味わい深く。

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今回の革は、アメリカ・カリフォルニア産の雄牛を、
国内でクロムを使用していない環境に優しい製法で
革を鞣し(なめし)、手触りは柔らかくも、しっとり
とした質感が、この革独特の味わいとなっています。

一般的に多く使われる化学製品のクロムを使った
「クロム鞣し」を採用せず「クロムフリー」という
製法で鞣しています。

ちなみに、「鞣し(なめし)」という言葉について、
簡単に説明しておきますと、漢字になっている通り
「革を柔らかく」と書いて「鞣す(なめす)」です。

「革」の原点は、動物の皮膚である「皮」です。

動物の皮は柔軟性があり、とても丈夫ですが、そのまま
使用するとすぐに腐敗し、乾燥すると硬くなります。

この大きな欠点を消すために、樹液や種々の薬品を
使って毛や汚れを落とし、柔らかくする技術が
「鞣し(なめし)」です。

鞣しの技術について、代表的なものをご紹介しておきます。

タンニン鞣し

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タンニン鞣しを行った革は「ヌメ革」と呼ばれます。

植物に含まれる水溶性の化合物を利用して、動物性
タンパク質と結合させる鞣し技術で、使い込んだ時間
とともに、革が柔らかくなりツヤが増してくるので、
経年変化を楽しめるのが最大の特徴です。

自然な鞣し方法なので、汚れがつきやすく、また、
保湿のために、クリームなどのお手入れが必要です
ので、人によっては面倒かもしれません。
また、使い始めはとても硬く、馴染むまでに時間が
かかるのも特徴です。

「手がかかるけど、こだわりたい」人向けでしょう。

クロム鞣し

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クロム鞣しは、塩基性硫酸クロムと呼ばれる化学薬品
を使用した鞣し技術です。

メリットは、タンニンなめしと比べて変色・変化が
控えめで、メンテナンスを行う必要がありません。
また、薄くて軽く、革が柔らかいのも魅力です。

「気軽に革を使っていきたい」人向けでしょう。

クロムフリー鞣し

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さて、実は今回の革は、上記2種類の鞣し方法ではなく
「タンニン鞣し」と「油鞣し」という2つを掛け合わせ
した「クロムフリー鞣し」と言われる技術で鞣されて
います。

タンニン鞣しだけの場合、革は硬く仕上がりますが、
そこに「油鞣し」という技術でさらに鞣すことにより、
適度な柔らかさを持たせることが可能です。

さまざまな鞣し技術が複合的に使われるために、
大きくは「クロムフリー鞣し」と呼ばれ、いわゆる
クロムを使わない鞣し方法です。

クロムフリー鞣しは、国内タンナー(鞣し会社)で
ここ10年くらいで生まれた新しい技術で、クロムを
使用しないことで、燃やした際にも環境に優しい鞣し
方法です。

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タンニン鞣しほどは激しく経年変化はしませんが、
上記の写真のように少しずつ変化はしていきます。

使い始めから柔らかで風合いも良く、またオイルなど
を定期的に塗る必要のないメンテナンスフリーです。

柔らかな風合い見た目が優しいだけでなく、環境にも
優しいという最高の革に出会えたと思います。

どんなティッシュサイズにもフィット。
受け箱に入れて、見た目も柔らか

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さて、そんな素敵な鞣しの革が見つかったのですが、
そこからが長い道のりでした。

せっかく柔らかな革が見つかったので、この革で
素敵なティッシュケースを作ろうとサイズ設計に
かかったのですが、市販のティッシュケースを見て
みると、サイズは千差万別。

横幅も、縦幅も、高さもすべて統一規格がありません。

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これに対応するためには、硬い革を使ってケースを
自立できるようにし、上から被せることで、いわゆる
「大は小を兼ねる」という解決方法です。

多少隙間があっても、被せてしまえばわかりません。

市販のレザーティッシュケースがなぜ「かっちり」と
硬い革を使ったものが多いのかが理解できました。

犯人はティッシュケースの統一規格がないという
ことだったんですね。

下の画像は、試作中に製作した硬さをつけたケース
です。

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裏返すとこんな感じです。

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ただ、せっかくの優しい風合いの革の特性を活かせて
いないため、ボツにしました。

今回はせっかく苦労して「柔らかい革」を見つけた
ので、この「柔らかさ」を残して、しなやかな風合い
のティッシュケースを作りたかったのです。

その中で、何度も試作を重ねました。

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そして、最終的にたどりついたのが、
「受け(下)のケースを作って、受けに硬さを任せる
ことで、いつも見る上面には柔らかさを残す」という
方法です。

これにより同時に「受け(下)にティッシュ入れる事
で、ティッシュに定形規格がない問題をクリアする」
こともできました。

細かく見ていきましょう。

受け(下)の外側には同じ革を使い、そこに芯紙を
入れ込み、内側は合皮を張っている3層構造です。

合皮を使ったのは価格を抑えるためです。

この構造にすることで、芯紙が全体を支えて、
自立し、形も整います。

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そして、ティッシュを紙箱から出して入れます。
ティッシュの箱は大きさが千差万別なので、あえて
出すようにして、すべてのティッシュに合うように
しています。

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そして、上から柔らかな革を被せます。

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これにより、見た目が「くたっ」とした、柔らかな
質感のレザーティッシュケースを作ることができました。

製作は京都の革職人に依頼。
何度も作り直して完成しました。

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ちなみに生産は、京都の革職人さんに依頼しています。

丁寧な仕事で、いままでにない製品でありながら、
高い技術で製品を作ってくださいました。

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細かな部分の仕上がりも、とてもきれいです。

海外生産ではない高い技術力と理解力で、今後も
さらなるレザー製品づくりをともに行っていく予定です。

こだわりを詰め込んだティッシュケース。
2020年2月28日より予約発売を開始します。

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というわけで、新作のレザーティッシュケースの
コンセプトと設計のポイントを書いてみました。

2月28日にオンラインにて予約販売を開始しまして、
東京店・京都店の展示も含めて、お届けできるのは、
3月下旬を予定しています。

実は2018年5月にはこの革に出会っていて、
instagramにも投稿していました。

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それから早2年弱。

ようやくプロダクトとしてリリースすることが
できます。長年の夢であった革製品の第一歩を踏み
出せて、うれしい限りです。

上下仕様になった分、革を贅沢に使っているので、
価格は高くなってしまいました。

ただ、レザー製品は一生物ですので、そう考えると、
高すぎることはない...と言い聞かせていただき(汗)
インテリアの仲間にお迎えいただければと思います。

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Re:CENO product|レザーティッシュケース
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