
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「配色」のセオリー前編をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/vasestyling/u4/2024-10-11.php
アクセントカラーは、文字通り「お部屋のアクセント」
になる「カラー」のことです。
「アクセント = 強調」という意味がありますので、
お部屋の中に「印象に残る色」を加えるということで、
分かりやすく言うと「スパイス」のような役割。
お寿司のわさびや、うどんの七味のように、ちょっと
だけあることで、十分に強いアクセントになりますの
で、ほんの少しの「5%」だけで良いのが特徴です。
「配色のセオリー」の記事でもご紹介しましたが、
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「配色」のセオリー前編をご紹介します。
https://www.receno.com/pen/vasestyling/u4/2024-10-11.phpお部屋の「メインカラー/ベースカラー」に対して、
アクセントカラーは、雑貨やクッションなどに「5%」
ほどの割合が、最適です。
少し入れるだけで、お部屋に彩りを加えてくれます。
お部屋に「彩りを与えてくれるカラー」と認識してい
ただくと、アクセントカラーは理解しやすいと思います。
さて、アクセントカラーについて具体的に解説してい
く前に、まずは「トーン」について触れておきましょう。
ここをしっかり理解しておいてもらうと、アクセント
カラー選びに失敗して、お部屋の中で色が浮いてしま
ったり、バランスが悪くなることを防げます。
色には「トーン」と呼ばれる
という概念があります。
上の図表は「トーン図」と呼ばれるもので
明度 = 上に行くほど明るく、下に行くほど暗い
彩度 = 右に行くほど鮮やか、左に行くほど色褪せる
||
明度 × 彩度の掛け合わせ = トーン
をグループごとに分かりやすくしたものです。
つまり、
色のトーンとは、明るさと鮮やかさの組み合わせのこと
ということを理解いただけると思います。
また、赤、青、黄といったことの識別に使う「色」は、
正式には「色名(いろめい、しきめい)」と呼び、ト
ーンとは異なります。
つまりは、
一般的に使われる色という表現 = 色名 × トーン(明度×彩度)
という掛け合わせたものというわけですね。
一般社会では、ここまで「色」についてシビアに表現
を使い分けることはありませんが、デザインや、服な
どを勉強された方や、仕事にされている方は「色」と
いう表現を、きちんと使い分けています。
インテリアにおいても「トーン」という表現はよく
出てくる用語で、いままでよく分からずになんとなく
使っていたという方も、この機会に理解できましたね。
ちなみに、より分かりやすい例として解説を追加して
おくと、
たとえば、同じ「青」であっても、
といった具合にさまざまな「青」があり、トーンが揃
うと、統一感がでやすくなります。
「お部屋の中で、トーンを統一しましょう。」
という言葉が出てきたら、
「明るさと、彩度を統一するということだな!」
と理解すれば良いわけです。
さて、トーンに関して理解が少しずつ深まってきたと
ころで、実際にインテリアに「トーン」を当てはめる
とどういった効果があるのかを見ていきましょう。
明るいトーンは、明るく若々しい印象に。
たとえば、この写真では主に「明るく、鮮やかな青」
が使われています。
明るいトーンで作るお部屋は、元気が良く、活発な
イメージを与えてくれます。
トーン表でいうところの
のあたりが、それにあたります。
若々しい印象を受ける一方で、すこし騒がしい印象を
受けるので、リラックス感を求める方にとっては、す
こし強い色使いだと感じるでしょう。
淡いトーンは、やさしい印象に。
明るさはあるけれど、鮮やかさ(彩度)は低いカラー
は、ペールトーン、パステルカラーなどと一般的に言
われるトーン群です。
さきほどの「強く、明るいトーン」と異なり、淡く、
やさしい印象を感じさせます。
トーン表でいうところの
のあたりが、それにあたります。
柔らかな色合いですので、お部屋に上質な雰囲気を与
えつつ、明るさもあるトーンです。
同じカラーでも、トーンが暗いと落ち着きを感じます。
一方こちらは「暗く、鮮やかではないブルー」が特徴
的な画像です。
この色の青は「ネイビー」と呼ばれ、暗めのトーンで
つくるお部屋は、全体的に落ち着いた印象を与えてく
れます。
トーン表でいうところの
のあたりが、それにあたります。
自宅は心と体をゆっくり休める場所ですから、刺激的
な明るさや鮮やかさを減らし、前述の2つのトーンより
も、さらに落ち着きを感じさせるお部屋になります。
トーンが混ざってしまっているNG例
明るく元気なお部屋、優しい色合いのお部屋、落ち着
きを重視するお部屋...... どんなトーンのお部屋にする
かは、ひとそれぞれです。
ちなみにリセノでは、落ち着いた上質な印象のお部屋
づくりを推奨していますので「淡いトーン」や「暗め
のトーン」をおすすめしています。
お好みに合わせて、自分なりのトーン選びをしてもら
えれば良いのですが、唯一NGなのは
明るいトーンと、暗いトーンをごちゃごちゃに混ぜてしまう
というお部屋づくりです。
トーンが混ざると、お部屋に統一感がなくなってしまい
見心地の悪いお部屋になってしまいます。
トーンを混ぜることだけはしないように、注意してお
部屋づくりのアイテムを選ぶようにしましょう。
そして、トーンを理解したうえで覚えていただきたい
のは、極端に明るかったり、強い色味のカラーでなく
ても、十分に「アクセントカラー」になるという点です。
上の画像でスタイリングしているアクセントカラーは、
ですが、いずれもまったく強い発色のカラーではなく
「明るさはあり、彩度は低め」のいわゆる「ペールト
ーン」のアイテムたちです。
「ペールトーン」のほかにも「パステルカラー」とも
呼ばれるこのアイテムたちは、淡く、薄いピンク色で
ありながら、十分にソファーに彩りを与えてくれてい
ますね。
このようなトーンの低いカラーでも、お部屋において
十分なアクセントになっているのがお分かりいただけ
るでしょう。
「アクセントカラー」というと、明るく、派手な色を
イメージしていしまいがちですが、トーンを理解した
うえで、暗いトーンでも良いアクセントになることを
覚えておきましょう。
アクセントカラーについて、失敗を防ぐために、もう
ひとつ覚えておいてほしいことがあります。
それは、
アクセントカラーは、レピテーション(繰り返し)してあげる
ということです。
レピテーションについては、以下の記事で
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「レピテーション」のセオリーをご紹介します。
https://www.receno.com/pen/pointstyling/u4/2024-07-19.php詳しくご紹介していますが、お部屋のスタイリングは
1つ1つのアイテムごとではなく、空間全体としてバラ
ンスを捉えていくことが重要です。
ですから、アクセントとなるカラーも、1つだけを入れ
てしまうと、どうしても孤立してしまいがち。
△ 1つだけだと、浮いてしまいがち
ですから、たとえばグリーンのクッションを取り入れ
るのであれば、クッションのグリーンにプラスして、
などをいっしょにスタイリングするようにします。
そうすることで、カラーが孤立せずに「グループ」と
なり、まとまり感が生まれます。
これが、アクセントカラーの失敗しない大事なポイント
です。
また、よくご質問いただくのが
「アクセントカラーを入れたいけれど、何色を選べば
良いのかが分からない。」
というものです。
特にこだわって使いたいカラーがないという場合には、
お手持ちのアイテムを「きっかけ」とするのも良いア
イデアです。
例えば
赤色の入ったアートポスターを持っていて、気にいっている。
という場合があるとします。
その場合には、ポスターだけに赤色が入っている状態
だと、お部屋としてポスターだけが浮いてしまいがち
です。
ですから、そういう場合には、ソファーに置くクッシ
ョンにも「赤」「オレンジ」などの同系色を使うこと
で、お部屋の中で「色の仲間」を作ることができます。
そうすると、不思議とアートポスターの赤色が浮かず
に、お部屋の「アクセントカラー」として認識されて、
おしゃれな雰囲気になるのです。
アクセントカラー選びに迷った際には、お持ちのお気
に入りアイテムのカラーを見つけてみるのも良いと思
います。
ちなみに、この「色の仲間」を作るときにも、忘れず
に「トーン(明るさ、彩度)」に気を付けて選ぶよう
にしてくださいね。
さて、アクセントカラーについて理解が深まってきま
したでしょうか。
最後にいくつかのアクセントカラーの例をご紹介して
おきます。
参考にしていただければと思います。
手軽さがうれしいミニラグ。赤味のある家具には、同じく暖色のキリムをレピテーションするとコーディネートがまとまりやすい。
落ち着いた色合いの組み合わせでも、アクセントカラーに。
トーンを抑えたイギリスのヴィンテージチェア。マスタードカラーは、重厚感と柔らかさが共存する。
くすんだゴールドの真鍮素材は、小さいものでも存在感があるため、アクセントカラーとしておすすめ。
小ぶりなアートポスターは、季節や気分に合わせて模様替えしやすいため、気になったアクセントカラーを都度試しやすい。
取り入れたいアクセントカラーの絵具で、子供や孫にお絵描きをしてもらい、お部屋に装飾してみるのもいい。
さて「アクセントカラーの取り入れ方」のセオリーは
いかがでしたでしょうか。
「アクセントカラー」は、必ず入れないといけないも
のではなく、好みによって、また、季節によってなど
さまざまにスタイリングを楽しむためのアイデアです。
お部屋全体の「5%のスパイス」として、失敗を恐れず
に、楽しんでいただければと思います。
あらためてまとめますと、
です。
また、リセノでは、アクセント「カラー」以外にも、
アクセント「アイテム」を使って、お部屋を彩る方法
もおすすめしています。
続いては、アクセントアイテムについて学んでいきましょう。
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「アクセントアイテム」のセオリーをご紹介します。
https://www.receno.com/pen/pointstyling/u4/2024-11-01.php
リセノの各店舗には、リセノの提唱する「センスのい
らないインテリア」のセオリーについて研修を受け、
社内試験に合格したスタッフが在籍しています。
記事だけでは分かりづらいところや、具体的なセオリ
ーの使用方法などについては、ぜひ店舗にてスタッフ
にご質問いただければと思います。
※おかげさまで土日祝についてはたくさんのご来店を
いただく関係上、ゆっくりとご案内が難しい場合が
ございます。
平日などは比較的ゆっくりとご案内できますので、
宜しければご検討くださいませ。
各店舗の空き状況のご確認や来店のご予約は
以下よりお気軽にお問い合わせくださいませ。
「ふつうのお家を、美しく」というテーマのもと、お部屋を美しくスタイリングするためのセオリーを提唱し、オリジナルの家具や雑貨を展開するインテリアブランドです。
https://www.receno.com/shop/店舗で働くインテリアプロスタッフの経歴や、住んでいるお部屋をご紹介しています。インテリアの知識だけでなく、リセノ家具の体感としてのご案内もいたします。
https://www.receno.com/shop/staff/センスのいらないインテリア【スタイリング編】|「ミックスインテリア」で上級者スタイリングにチャレンジ
コントラストの心理効果で、インテリアに深みを与えるセオリーについて紐解いていきます。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|「アクセントアイテム」で趣きをプラスする
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「アクセントアイテム」のセオリーをご紹介します。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|インテリアを趣味にして、楽しむためのヒント
お部屋づくりの楽しさを知って、一生の趣味にするコツをご紹介します。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|「アクセントカラー」の取り入れ方
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「アクセントカラー」のセオリーをご紹介します。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|空間を「上・中・下」に分けて、スタイリングする。
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「空間配置」のセオリーをご紹介します。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|インテリア選びは「レピテーション」を意識する
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「レピテーション」のセオリーをご紹介します。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|「ディスプレイ」の基本を知る。(後編)
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「ディスプレイ」のセオリー後編をご紹介します。
センスのいらないインテリア【スタイリング編】|「ディスプレイ」の基本を知る。(前編)
センス不要で、インテリアスタイリングを美しく仕上げる「ディスプレイ」のセオリー前編をご紹介します。